『観てくれた人が幸せになれるような絵を描きたい…』
京都にも本格的な夏がやってきました。
そんななか、国際会館近くのカフェ・niftyで初めて観た絵の絵描きさんから個展開催のメールをいただいたので、行ってきました。
Halo Galo (Café Bibliotic Hello!2F)
Rumi Yoshida exhibition “Lucid dream”
July,7(Tue)~21(Tue) 2015
11:30~23:30 (最終日は17:00まで)
なんとあの有名なカフェ・Bibliotic Hello!での個展です!
以前京都にある数々のカフェを巡っていたのでその存在は知っていましたが、一度も来たことのなかったカフェなんです。
今回やっと訪れることができました。
カフェに併設しているパン屋さんの横の階段を上がっていくと、作家の吉田瑠美さんがいました。
「初めまして」
小柄でボーイッシュな髪形の美人さんです。
やはり現代作家さんにじかにお会いできるというのは、ライターとしてとても幸せなことです。
吉田瑠美さんとのおしゃべりは、とても弾み、とても楽しいものでした。
そしてHalo Galoのギャラリーに並んでいる絵は、その前に立って観ていると時間の経つのも忘れるくらい、こころを温かな液体で満たしてくれるような、それはそれは素敵なものでした。
‘早起きした日’ early morning クレパス 2015 3
「これらの絵はクレパスで描いているんです」
と吉田瑠美さんが実際に使っているクレパスを手渡して見せてくれました。
これらのクレパスが吉田瑠美さんの持つ魔法によって、こんな素敵な絵に生まれ変わるのだと思うと、ふるふると胸の奥が小さく震えるのを感じずにはいられません。
「この中で中里さんが一番好きな絵はどれですか」
「そうだな~…この’早起きした日’です、というのも」
『今日一日もいい日になりますよ』
と、中央の白と赤の花々がそう語りかけているような絵に感じるからなのです。
‘明晰’ water color 2015 3
「これらは台湾の風景を描いたものです」
なんでも吉田瑠美さんは台湾人とのクウォーターなんだとか。
他は全てクレパスで描かれていますが、この絵だけは水彩です。
その水彩の持つ特徴・透明さに惹かれます。
白き光の中に浮かぶ緑の影が、鮮やかにわたしたちの瞳に映えるのが実感できる絵だと思います。
‘遠い夏の日’ Longing for the days クレパス 2015 4
子供のころの記憶…どこかで見たことのある風景…
これも台湾の風景を描いたもの。
きっとクウォーターの台湾の血が描かせるのでしょう。
それも吉田瑠美さんの才能のひとつだと思います。
-Natalie Imbruglia “TORN”-
これは最近、ボクがよく聴いている曲です。
何度も聴いているので頭のなかでリズムが弾み、うろ覚えの歌詞も口ずさんで出てきます。
好きな曲が頭を駆け巡っている時は、いやなことを忘れてしまいます。
それと同じことで、吉田瑠美作品のどれかひとつでも、頭のなかに浮かんでいればとても心地よいのです。
『あなたの絵は、観ているひとたちを幸せな気分にさせてくれています、それはとても確かなこと』
「このギャラリーはこんな風に自然の光が射し込んで、そんなところがとても好きです」
そう吉田瑠美さんは言います。
「ほんとだ」
ボクもそう思います。
ひとの縁とはふしぎなもの。
ある日突然の思いつきで始めたカフェ巡りを経て、アーティスティック探訪と題して京都のあちこちのギャラリーを訪ねるようになり、Halo Galoという素敵な場所にたどり着き、
吉田瑠美という魅力的な現代作家にも出会えました。
感謝の気持ちでいっぱいです。
‘Lucid dream’ クレパス 2015 4
今回の個展のタイトルにもなっている作品。
「武術の先生をしているので、その時に見る子供たちの手や足のふくよかさを絵に活かしているんです」
‘Lucid dream’は、瑠璃色のようなさえた青紫や、木賊色(とくさいろ)のようなふかい緑によって描かれています。
…その色の中に引き込まれても、満ち足りる気持ちよさ…
それは、吉田瑠美の持つ才能だと。
絵描きとしてだけの経験にとどまらない様々な彼女の足跡が、その指先に持つクレパスに伝わってキャンパスの海を自由に泳ぎ、わたしたちに至福の時を与えてくれるのです。
だって、すでに作家本人の名前の中にその色の美しさが宿っているではありませんか…
そう、『瑠美』の『る』は『瑠璃色』の『瑠』。
そしてこの絵のなかには、もうひとり…
‘Lucid dream’ クレパス 2015 4
「?だ、だれだ?」
オレンジの扉のとなりに、白き謎の人物が…
これはボクが勝手に見つけたものなので、観るひとによっては別のものに見えるかも?
「ほら!ここから見る風景がとてもいいのですよ!」
と教えてくれたのが、吹き抜けの2階ギャラリーから見降ろしたパン屋さんの陳列台。
おいしそうなパンが並んでいますよ~!
すぐ横のテーブルには吉田瑠美作品のポストカードとカンフー関連のチラシが並んでいます。
Café Bibliotic Hello!
またいい落ち着き場所を見つけました。
この日はバナナの木が生き生きと生い茂るカフェの2階で、とっても幸せな時間を過ごすことができました。
“I had a wonderful time today with a cute artist!”
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。