“ずっと昔から好きだったわけじゃない”
それが長い時を経て、ひとりの人の体内で醸造されて変化して、いまではこのような美しい日本の故郷の絵を描くようになった…
OPT GALLERY
第11回 青田ひろみ 谷口恭子 水彩画二人展
2016年4月22日(金)~27日(水) 11:00~18:00(最終日は17:00まで)
誰にでも経験があると思います、
『こんな田舎なんて大嫌いだ』
と自分の故郷を毛嫌いする時期があると。
青田ひろみさんにもそういう時期がありました。
以前、初めてこのギャラリーでお会いした時にそうおっしゃっていたのを覚えています。
それがいまではこんなに素敵な絵を描くようになったのです。
白川郷 青田ひろみ
「はぁ~…この田んぼの水…」
と思わず感歎のため息が…
絵を描くうえで、水を表現するのはとても難しいものだと感じるのだけど、これは見事に水の表情をとらえています。
とても美しい絵です。
村の分校 青田ひろみ
「これは鳥取の江府で描いたものです、はっきりした場所は覚えてないけど」
とても落ち着きます、こんな絵を観ていると。
「絵に愛着はありますか」
とのボクの問いに青田さんは丁寧に答えてくれます。
「手放したくない、とかの感情はなく、あ、あの絵は今あの辺にある、
と思うとちょっとうれしい」
絵は多くの人に観てもらってこそ、その価値があり、活きる、ということです。
イギリス村 谷口恭子
この絵を描いた谷口さんは、お身体の調子があまり良くないとお聞きしましたけど、それでもこのようなファンタスチックな絵を描かれています。
まるで魔法の国に迷い込んでしまった、そんな感覚を覚えます。
春待つ 谷口恭子
藁葺き屋根の家って、現代日本人の郷愁を誘うもの。
不思議ですね~、住んだことはなくても、これが日本の基本形と思えるのだから。
ボクらが子供のころは、日本昔ばなしというアニメが放送されていてよくテレビで見ていました。
そのなかで出てきた昔の人の家がこんな藁葺きの家だったから、それで郷愁をおぼえるのでしょう。
この水彩画二人展は今回で第11回を迎え、ギャラリーの中では青田さん・谷口さんたちのお友達が訪れておしゃべりにも花が咲いています。
ボクもその輪に加えていただき、とても楽しい時間を過ごすことができました。
来年もまた再会できるのを楽しみにしています。
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中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。