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重要文化財 杉本家住宅|中里楓のアーティスティック探訪 125

投稿:2016年8月26日

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坪庭から吹いてくるそよ風はとても心地のいいものでした・・・

重要文化財 杉本家住宅 名勝 杉本氏庭園
『京町家の日常風景 一般公開』

“If you are a Japanese,you must feel so comfortable in this house.”
「あなたが日本人ならば、この家にいると必ず心地よく感じるはずだ」

江戸時代に呉服商であった杉本家の邸宅は、京都の町のただなか、下京区綾小路通新町にあります。玄関を通り、露地庭に面した部屋の畳の上に胡坐をかけば、この独り言がおのずと口をついて出てくる、そんな町家です。

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「この軒下の木は、一本杉なんですよ」

と、係のご婦人からこの家の説明を聞いていると、露地庭の手水鉢の水たまりで水遊びをしている一羽の小鳥が・・・

「わぁ!なんてかわいくて、風流な・・・」

ゆったりとした時間が、ここでは流れています。

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『歳中覚』

これは古くから続く旧家には付き物の記録帳です。一年の行事などについてこと細かく書かれています。その中にはお正月のお料理の献立もあります。

「この流れるような字体、昔の人はよくこんなの読むことができましたね~」

このような記録帳を見るだけでも、この空間には歴史という時間が流れていると感じます。

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「黒橡(くろつるばみ)か褐色(かちいろ)か」

黒橡(くろつるばみ)とは橡(櫟=くぬぎの実)の煎汁を染料とし、鉄媒染した紺黒色。
褐色(かちいろ)は紺より更に濃く暗い藍染の色。

この戸棚の色・・・「なんて、深いんだろう・・・」

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おくどさん

以前、冷泉家を見学したときに、このようなカマドのことを京都では「おくどさん」と呼んでいると知りました。実際にこのおくどさんで炊いたご飯を食べてみたいものです。 

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これは、蚊帳の中。
子供のころ、家族で海水浴に行った先の宿で入ったことがあったかなと、かすかな記憶がよみがえってきました。こんなところに、昔の記憶を呼び覚ます仕掛けがあろうとは。
 

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簾を通れば、厳しい陽差しもこんなにやわらかくなって・・・
表を歩けば汗が吹き出すのに、ここに佇めばその暑さもぎりぎりのところでしのげます。

「陽差しと陰 吹く露地風に 時ゆるり (字余り)」
 



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