What artworks make me quite excited this year?(1)
今年もこの季節が来ました!
2016年度 京都造形芸術大学卒業展大学院修了展
2017 2/25 sat – 3/5 sun
芸術工芸学科 油画コース 村井柚紀
うつろい flowfool
“Phthalo Blue is my favorite color.”(2)
髪をショートにカット、まぶしいくらいの金色に染めた、若き女子アーティスト:村井柚紀。
積極的に作品に対する思いを語ってくれました。
「この蒼色、フタロブルーが好きなんです」
蒼と白の2色、単純そうに見える絵だけれど、数秒で通り過ぎさせない力をこの絵は持っています。この絵の下部、なんらかのホールみたいなものにハマってしまいそうになる・・・
「自転車に乗って感じる風、あの肌に感じる感触が好きです」
この蒼色に感じる風がこのホールに吸い込まれていく・・・
若き絵描きが体感したもの、それがこの絵をふわりと覆っている、
とボクは感じました。
それが粗削りでも未完成でも、この瞬間にしか存在しないもの・・・
それを感じることのできる贅沢・・・
Sort of the force, I can feel it right now.(3)
この絵に対する感想や、ボクが絵に興味を持つきっかけなどをお話して、
「とてもきれいな表現を使われるのですね」
と言われて、ちょっと照れてしまいました。
村井柚紀さんとのギャラリートークはとても楽しいものでした。
美術工芸学科 油画コース 島内梨佐
吉田鉾
Painting dot may be completed in our brain between the picture and us.(4)
(どこか遠い惑星の風景かな・・・)
そう思えた不思議な光景は、実は吉田今宮社の剣鉾でした。
近くで見ると単なる点の集まりが、遠くで見るとある種の像に見えてくる。
点描画とは、絵と人の脳との間で起こる錯覚をうまく利用した絵なんだと、この作品を前にして思うことができます。
中空に浮かぶシンボリックな意匠が、なんてイカシテいるんでしょう!
海 ocean
「大いなる樹海、一枚葉の葉脈・・・マクロでありミクロでもある」
一枚の絵を観て、それをどのように感じ解釈するかは観る者の自由であり、さらに共有する空間と時間を持つこともその手にゆだねられているのです。
美術工芸学科 油画コース 西本祐子
Screen
「目に見えるものと見えないもの、それを同じ一枚の中に表現したい」
それは、悩める若き乙女が導き出した、苦肉の自己表現でした。
自分の中では負のイオンを帯びた厄介者だったもの・・・
「このわたしのなかにあるモノを、なんとか表現したい!」
斬新なアートに昇華した瞬間でした。
「他の生物(人など)に見られないと、こんな風に進化するんだ」
右側の緑の物体は深海の生物“デミニギス”。
黒髪のとても可愛らしい女の子の中に、深海の怪物とリンクする何かがある・・・
わたしのなかにある目に見えないモノは、見えない深海の怪物だ。
それが目を見張るアートを生み出す核になっている、と。
What a specific faculty she has!(5)
やはりこの京造大は異才を伸ばすのに、もっとも適した場所です。
西の山裾に沈んでいった夕日に名残を感じながら、この日も思うことができました。
「あ~!今日もいい絵を観た~!」
英訳(1)今年はどんな作品がボクをワクワクさせてくれるのかな?
(2)わたしの好きな色はフタロブルーです。
(3)なにか力のようなもの、それを今感じることができる。
(4)点描画とは、きっと絵と私たちの間で、私たちの脳の中で完成するもの。
(5)なんて独特な才能を持っているんだ、彼女は!
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。