嵐山を散策するならば、まずは天龍寺、そして竹林の道や渡月橋などが有名だ。トロッコ列車に乗って川下りする人も少なくないだろう。しかし、私は他府県または海外から来る友人に勧める場所として祇王寺を挙げることが多い。ひっそりとして、夏は竹林と苔の緑に包まれ秋は紅葉が美しい。苔寺に行きたいけど予約ができなかった人、でも苔や緑に包まれた侘び寂び空間で静かに時間を過ごしたい人にはお勧めだ。
こちらのお寺、尼寺で平清盛が愛した祇王・祇女、仏御前が尼僧として余生を過ごした場所と伝えられている。祇王ら4人と清盛の木像も安置されている。このお寺にまつわる悲恋話は現代でも共感できそうな男と女の話だ。祇王と祇女の姉妹は白拍子という舞を踊る女性たち。清盛の寵愛を姉の祇王はうけていた。しかし、ある白拍子の仏御前という女がやってきて、清盛に追い払われるも優しい祇王が屋敷の中に入れて、仏御前は舞を清盛の前で踊る。そうすると、清盛は心移りして仏御前を気に入り、祇王は追い出される。そして祇王は母と共に尼となり、この祇王寺に来て仏門に入ったという話だ。仏御前もそのあと清盛の元を去り、祇王たちと共に尼となって過ごしたそうな。
そんなストーリーを思いながら、この自然あふれる寺でぼーっとしてみよう。心が落ち着く場所のひとつです。
京都在住でフランス語を勉強しながら京都や日本を紹介するブログを書いています。 食べることが大好きでカフェやレストラン、パン屋やパティスリーにもよく行きます。大衆居酒屋も好きです。時々、フランス人を連れてお寺や神社など観光したり、ぶらぶら京都を歩いています。