行ってきました。京都芸術センターの夏休み企画展は、私のお気に入り。
昨年の国府理さんの展示で、私はインスタレーションに開眼したのでした。
さて、今年。
昔、好きだった童話に、「その扉を開けると春でした。次の扉を開けると夏でした。
みたいなのがあって、この展示はまさにそんな感じでした。
まず一つ目の展示の扉を開けると「そこは、逆さまの銀世界でした」…。
霜の付いた葉のない木が、たくさん逆さまにつるされていました。
実際は霜を表現しているのかわかりませんが、そんなふうに見えました。
そこから受ける印象はなんともファンタスティック。
制作風景をまとめた映像を見ると、何やら科学的なもの(尿素など)を
配合した液体を、拾ってきた木に垂らしたり吹き付けたりしていました。
会場にいらした男性が、スタッフのかたに「これは凍ってるの?」って
凍ってないってわかってるんだけど聞いていました。
いや、そう聞いちゃいますって、凍ってるみたいだもの。
制作風景は、手洗い場の壁に映されていました。
廊下の窓から向こうのギャラリー(校舎)が見えます。
そちらへ渡って
もうひとつの扉を開けると「そこは、最後の草原でした」…。
って全然、草は生えてなくて、
暗い室内に、光る葉っぱが風でゆらゆら揺れています。一部分が壁面に映されています。
床にペタンと座って、鑑賞できるインスタレーションです。
葉脈だけの葉っぱが、たくさん床に起立しています。
今年の夏休み企画展は、舞台芸術のセットに近いという印象でした。
扉の中で、舞台に立たされているような気持になりました。
じゃあ、そのときの私は何の役なのでしょう?どんな物語の中にいるのでしょう?
そういうのを考えるのも面白かったです。
インスタレーションは絵画よりずっと「物」が「本物」(立体)です。作家の思い通りの「物」が出現している。空間を使うので、鑑賞者はすっぽり絵の中に入ってしまえます。物そのものを知るのではなくて、物が醸し出す世界を体験できる。体験というのは貴重だなあと思います。(作品の写真は、パンフレットを撮影したものです。)
さて、「カフェ」です。
いつか食べたいなあと思っていたパフェをいただきました。やったー。
シナモンをかけながら。味や食感が上から下へいいバランスで、おいしかったです。