こんにちはー。もりやすみきです。ほうほうと息が白いです。
お山に雪がつもっていますよ。2013年も、もうすぐおしまい!
締めは、京都国立近代美術館「皇室の名品」。
これは12月22日 9時20分の行列。開館まであと10分。
(23日は、天皇陛下の傘寿のお祝いでイベントがあるそうです。その日はもっと並ぶのかもしれません…)おそらく連休を使って、遠方よりお越しの方が多数いらっしゃるのだと思われます。言葉が関西じゃなく…。
開催は京都だけですものね。期待が高まります。
入館しますと、レッドカーペットがエレベータへ続く。
いつもは階段を上がるのに、今回は「エレベータで3階へ」と案内を受けました。
このフライヤーは、ど真ん中で観音開きになる作り。豪華ですね。
さて会場入りしますと、壁に、天井に、装飾が。
館内の様子は「京都で遊ぼうART」さんの内覧会レポートでつかめると思います。(写真付き!)
その内装だけでも見ごたえがあるのに、
「そんなのは壁だよ」と涼しい顔をして名品が展示されているのでした。
「あ、あの…展示品で、壁の絵が見えないのですが、そこ見なくていいのでしょうか?」
という感じでして、あーえらいとこへ来てしまったなあ…と
まあ、そこからの私は感情ぐるぐる、ざざっとピックアップしてご報告。
ちょっと画像を連れてきたのですが、同じ作品でもこんな感じで
色が違って見えますし、そもそものサイズ感がまったくつかめないと思います。
だからやっぱり、見に行かないとダメなわけですね。
十二代沈寿官 「菊張付香炉」
とはいえ、この作品の、なんだこれー!どうしたー!!?って
いう感じはわかるんじゃないかと思うのです。大変!やばい!って思いません?
「あんた何?」って聞いてみても、
「香炉ですけど」と言い返される。むしろ黙られている。そんな「世界」。
並河靖之 「七宝四季花鳥図花壺」
でして、こちらも「壺」なのですが、動いて見えますよね。動画のようです。
鳥が、枝が。「世界ですか?」「まあ、そんなところですかね。」と壺は答える。
違う時に会えば、花が散り、葉が赤く色づいていても不思議じゃない。
この作者の並河靖之にも突っ込んでいきたいところ。もう亡くなっているので
新しい動きはありませんが、並河靖之七宝記念館 があります!
地下鉄東山駅の近くにあるある! こうして、今回の展示は、作家一人一人にも
近寄るきっかけになりました。
ところで、記念館を持つような作家の品が、皇室で扱われていることに
安堵感を覚えるのは私だけでしょうか。あー良かったという底知れぬ安堵感。
皇室は、持ち物が似合っているなあ、と思います。
ちょっと自分の持ち物を振り返ってみなくてはいけません。
買うもの、頂いたもの、大事にしているもの…似合っているかな?
季節がら考えやすいときです。クリスマス、送別会に大掃除に…。
よりよいものが似合うように、努力しよう2014年。
それにしてもプレゼントは緊張しますね、
どんな気持ちで、だれに何を贈りましょう。
さてさて、こちらの絵は献上品だったそうです。
三菱財閥の岩崎家からの依頼で、前田青邨の作「唐獅子」。
こっちがお父さん獅子。
こっちがお母さん獅子。子供は3匹(頭?)いますね。
どんな気持ちで製作したのでしょう。
これは壁一面くらいの、すごく大きな絵なんですが。
ババーンとダイナミックに目に飛び込んで来て、それがまた、
「わあ怪獣やー」って、なんだかすごくひょうきんな絵柄に
見えてならなかったので、笑ってしまいました。
かわいい!!この雰囲気で、獅子の家族の絵なのだから和みますね。
(とはいえ高価な材料が惜しげもなく使われているのだそうです。)
でもこの作者、前田青邨はこういう絵(↓)を描く人らしい。
皇室献上の絵(↑)とテンションが違う気がしますが、どうでしょうか。
もう一つガオガオ(獅子のこと)作品を。展示の出口付近にあった2体。
ここまで来ると、豪華さにすこーし慣れてきて、
素直な気持ちで作品を見られるようになっていたのか、
ただひたすら、このガオガオがかわいかったからなのか、
私はどれかもらえるならこれがいいなあと思いました。
(妄想がひどすぎる…失礼しました。)
飼えそうだなあ、動いて、ご飯を食べたり眠ったりしそうだ。
画像ではまったくわからないけれど。サイズも柴犬くらいです。
表情も険しくない。胸も実際はやわらかそうでした。
沼田一雅 「陶彫唐獅子」
ブロンズではなくて焼き物だそうです。うーん生き物だと思う。
目をそらした隙に、耳の後ろを掻いたりして。
きりがないので総評。(4階コレクションギャラリーについては割愛)
「向こう側」という世界がある。名品をみているとそこを垣間見れる。
「向こう側」は太平で美しい場所のようだった。
それを目指していけたらいいし、そこはきっとあるのだから
安心して落ち着いていたらいいんだなと思った。
真面目に誠実に、よりよくなれたら近づけそうな「世界」が「向こう側」にあるんだな。
そう思える展示でした。
だけど、展示のガラスケースの中から、私までの距離は何億光年くらいか
離れているようにも感じましたよ!名品の輝きは星のごとく凄まじい…。
では、みなさんよいお年をお迎えくださいね。
お読みいただきありがとうございました。