おぼろ月と輪舞する子供達
2014年 午年がスタートしました。それにちなんで、印象的な
朱い馬の登場する、こちらの絵から見ていきましょう。
没後45年 詩魂の画家「山口薫展」
(何必館・京都現代美術館1/26まで)より。
朱い馬が三頭並んでいます。この馬は誰でしょうか、何でしょうか。
私には「馬の姿をした何か
だと思えてならない。
この絵が絶筆ということをふまえると、さらに想像が膨らみました。
この三頭の目は、あって無いような描かれ方ですが、(ちょん、ちょんって)
ものすごく馬の眼差しを感じます。待っているような、見守っているのか
見届けているのか、そういう眼差しです。
輪舞を鑑賞しているようでは…ないですよねえ…?
場面は静かに、澄んでいるのに、子供たちの歌が聞こえるようです。
耳を澄まさないといけません。この絵は、こちらを黙らせる。
黙っている作品と、黙らせる作品があると思うのですが、
後者のようです。
この絵について、本展のフライヤーにはこう書かれています。
「まるで現世と来世を写したかのような生死を超えた永遠の世界を感じさせ、
その透明感ある幻想的な作品は山口の思想を見事に表しています。」
「山口の思想」とは…。
牛と少女
賢そうですね。なんでも悩み事を聞いてくれそうな。
わかってくれていそうな。そんな牛に思えます。
女の子は何でしょうか、悩んでいる人の色は、
こんな感じなのかもしれません。暗い色ではなくて
濃い、張り付くようなオレンジ。
この女の子は悩んでなさそうですが。
悩みというのはこんな色の少女なのかもしれません。
「悩み」の擬人化。はたまた…?どう思われますか?
何必館の館長が展覧会に寄せた文章には次のようなことが…
「いやなことやつらいことがあると
無性に山口さんをたずねたくなった
そこだけがまったく別の世界のように静かで
心落ち着くことができたからである」
私の抱いた、「牛と少女」の印象もそんな感じです。
文章には他に、館長と山口さんとのエピソードも書かれていて、
ジーンときました。館長が若いときに、山口さんは亡くなったようです。
山口さんの言葉(詩でしょうか)も展示されています。
「美しいものに触れると僕は悲しくなる。
それはなぜだろう。人間の美への祈りがあるからだろうか。」
祈り。繊細で鋭い祈りだなあと思います。どこに向かうのでしょう。
一枚一枚の絵にそんなお祈りが込められているようでした。
そう思って見返すと、例えばこの牛は目に涙をためてしまうのでは
ないかと思えてきました。
2013年12月17日 鑑賞
<お年玉 というかおまけ>
そんな展示の帰りにもかかわらず、私は2014年(今年!!)のために
楽器店に寄ってこれを買ったのでした。じゃじゃん。
Big Boss京都
(寺町にあるスーパーギターショップ。展示がすごくきれいです。
あと、若い店長さんが職人気質でかっこいいんですよー)
これじゃないけど、この色のを買いました。
ギターは見ているだけでも綺麗ですが、鳴らしたら、もう大変。
ではでは、今年もよろしくお願いいたします。
皆様にとって素晴らしい年になりますように。じゃーん☆