重要文化財 千手観音立像 平安時代 寿宝寺蔵
私は、京都が好きなくせに、古美術がちょっと苦手で、京都には素晴らしい古美術にすぐ出会えるというのに、もったいない感じです。あー勿体ない!きっといつかは、深く入り込めるのだと思うのですが、自身でもその日を待とうという心構えです。
そんなことでして、今回の展示「南山城の古寺巡礼」は、ハードルが高かったです。
んー?南山城ってどこ?
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京都府の南の方に、「南山城」と呼ばれる地域があります。奈良と京都にはさまれ、木津川という大きな川が流れています。奈良と京都を結ぶ重要な場所で、奈良時代には短い間ですが、恭仁京(くにきょう)という都が置かれたこともあります。
あー、なるほど!わかりやすいです!(^^)!
上の文章は国立博物館で配布されている「小中学生向けワークシート」からの抜粋です。これはいいです!展示用の音声ガイドもありましたが、大人向けは気が重く(眠くなるだろうから)、ワークシートをいただきました。これを使って、展示を見た後、復習しました。
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仏様のグループ 仏様は、大きく4つのグループに分けられます。
如来 さとりをひらいたもの
菩薩 如来になるために修行中
明王 密教という教えに独特の仏様で、インドの神様の姿を取り入れています
天 仏教にとりいれられたいろいろな神様
(小中学生向けワークシートより)
うーん、そうだったんですね!(←このレベル)
今回の展示で、一番心がほかっとなったのは「千手観音立像」ですが、こちらは「菩薩」様で、こんなに手がたくさんあって、こんなにやさしい顔をされているのに、「如来になるために修行中」だったんだ!
如来様は、ずんと座って、指を丸くつなげているあの像なんですね。
小学生の時、知っていたら、ホントによかったのになあ。
私は小学生の時はエジプトとかギリシャ神話とかが好きだったから、全然仏様にかまわなかったけれど、
もうちょっと仏様のほうを向いていたらいろいろ楽しいことも増えただろうと思いました。
なぜなら、日本にはピラミッドもパルテノン神殿もないけれど、お寺はたくさんある。
他に、この展示で面白かったのは、一休さんの袈裟や靴の展示で、なんかこの人(一休さん)案外、颯爽とした人だったのではないだろうかと、そんな気がしました。
ただの印象ですけど、持ち物が何か語ってくる感じで 一休さんの袈裟 というよりは
この袈裟は一休さんなんだなあと思いました。
国立博物館の研究チームについても解説がありました。
ここまでの展示にするためにいろいろな人の手や知識が加わっていることを改めて感じました。
前回国立博物館に来たのは「特別展覧会 魅惑の清朝陶磁」のときでしたが、ただ見た、というだけで帰りました。それなのにその後、清朝陶磁の記事をみつけて読んだり、その時初めて知ったことや印象が、じわじわと知識としてしみこんでくるような感じがあります。
「少しでも知る」「認識する」ことの重要性に気づかされました。
きっかけ、というのはあった方がいいのだと思います。そして、誰かが大事にしているものは、なにかしら魅力があり、そこに自分の興味がなくても大事にしないといけないなあと思うのです。
うん、楽しかったです。来客数も多く、みなさんそれぞれの知識の増幅、
心の癒しを受けていて、博物館の公平さ って心地よいなあと感じました。