野口哲哉《Talking Head》2010年
気が付いたらもう、夏になっちゃいましたねー。今年もいい思い出を作りましょう!
私事で恐縮ですが、5月の終わりから6月の前半に旅をしました。
島根県(島根県立美術館・足立美術館)→東京→北海道(札幌芸術の森野外美術館)→東京→京都(と、神戸市立博物館も)。で、ですねえ、世間には「行っておきたい日本の美術館」というのが、なんとはなしにあるそうで(雑誌の特集とかですね)、それを巡ってみたいなあと思っています。ついでに「都道府県全部行く計画」が進行しております。8月は山梨県に行っちゃう。どこへ行っても私は京都が好きな気がしますが。実はどこへも行ったことがないので。
「行っておきたい日本の美術館」(仮)京都編は、大山崎山荘美術館と堂本印象美術館が推薦されているようです。
どちらも美術館というよりは、不思議空間ですから、ここは押さえておいて正解。あちこちで紹介されるのもわかる気がします。
今回のレポートは大山崎山荘美術館から!
まずは、4月19日から7月27日まで開催中の「野口哲也展」について。
若い外国人男性がちらほらと、野口さんの展示を追いかけてこられた様子。
人に追いかけられる現代アートの作家さんって、どのくらいいるのでしょう。
野口さんの展示でよかったのは、解説文が自分の言葉で書かれているところでした。
友達に話すような易しい言葉で、若い男の子が自分の興味と技術をかけて作品を作っていることが、柔らかく伝わります。こんなに作家本人の解説文がついているのは珍しい気がします。野口さんは、人懐こい性格の方かもしれませんし、自身の作品や、見てくれる人を好きなんだなと感じました。この展示は、難しいことは抜きで、センスやアイデアの世界と、鎧の研究について楽しめました。
意外だったのが、作品が「小さい!」という点です。小さくなると、細かくなるから、
大変そうだけど、本当に器用に仕上げられていて、それも見どころだったと思います。すごいです。
鎧武者と聞くと、勝手に40代とイメージしていましたが、よく考えたら、そんなわけはなく、作品のような若者たちが鎧を着てたくさん死んでいったのかなと思いました。
展示を通して、時代劇よりも何よりも、リアルに武者と向かい合えてきます。これまで、鎧は死なないための防御の服だと思っていたのですが、本当は死に装束だったのだなあと考えを改めました。私は女性なので、男のロマンを深く知りえないですが、男性が自分の生きた証を表現する、想いの詰まった衣装が鎧なんですね。(2014年6月5日 鑑賞)