今回ご紹介したいのは、大山崎山荘美術館で開催中の「光と灯り」という展示企画。
この美術館は加賀正太郎という富豪によって建てられた、大山崎山荘を美術館にした建物です。
駅から坂を登り、トンネルをくぐれば到着。ずっと坂道なので、息切れするかもしれません。
到着するときれいな日本庭園が待っています。
洋館と日本庭園の混ざった不思議な空間です。
光と灯りというタイトルの付けられた今回の展示、この美術館自体が光と灯りにこだわっています。
館内は写真撮影禁止なのでご紹介できませんが、ろうそく型ランプの照らし出す館内は、柔らかい空気に包まれています。
ランプの燭台もひとつひとつデザインが異なるこだわりよう。
二階に登る際に見えるステンドグラスは圧巻!洋館に来たという感覚が強くなります。
そして二階。なにげないひし形のガラスがはめ込まれているのですが、それが太陽の光を浴びると乱反射し、見事なプリズムを館内に写し出します。
美術館の方も「天候や時間帯にも左右されますが、ぜひ見て頂きたい空間です。」とオススメする、本当にきれいな光景でした。
本館の展示物で特に印象に残ったものは二つ。
河井寛次郎の「海鼠釉線文瓶(なまこゆうせんもんへい)」は、青の釉薬が作品の底を照らし出し、光を浴びると浮かび上がるような美しさがあります。
もう一つは棟方志功の「華厳譜」です。こちらは版画。
当然版画が光るわけないのですが、仏様を版画で表したこの作品。真っ黒な作品にもかかわらず、優しいタッチで描かれ光やぬくもりを感じたのが印象的でした。
この美術館のもう一つの展示場、地中館は安藤忠雄の設計でコンクリートの現代的な造り。作品を照らす光も、計算された現代的な光です。
こちらではモネの「睡蓮」が展示されています。
有名なこの絵。朝日をさんさんと浴び、水の上に浮かぶ睡蓮。色鮮やかで非常に美しいです。
その他の絵では、モネの「エトルタの朝。」
崖を照らす優しい朝日が表現されていて、非常に優しい絵です。見ているとなごみます。
シャガールの「春の恋人たち」は、大きく描かれた太陽が印象的。元気になれる作品だと感じました。
最後に、お庭や敷地内にはもみじの木がたくさん多く植えられています。
この「光と灯り」展は4月13日までですが、初夏には新緑の緑の光が、秋には赤い紅葉の光が皆さんをお出迎えしてくれるはずです。
そのころに、再度訪れてみようと思います。
このように「光と灯り」がぴったりな美術館です。
作品の美しさはもちろん、洋館の光の美しさや、お庭を照らす太陽の光にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
学生時代を過ごした京都が大好きで、お寺や美術館、雑貨屋さんなどをぶらぶらと散策しています。特にお寺には、ヒマさえあれば訪れています。 京都の魅力について、少しでも伝えることができればいいなと思っていますので、よろしくお願い致します。