白峯神宮から今出川駅方向へ少し戻り、南へ入った民家に囲まれた場所に、霊光殿天満宮(れいこうでんてんまんぐう)があります。京都の一般的な観光案内の本には掲載されていないことが多いでしょう。
もともとは1018年に河内国若江郡(大阪府)に神殿を建てたものが、京へ移り、現在の地には1761年に鎮座したそうです。私は手元にあった地図に記載があったことと、「京都の神社入門」という本に紹介されていたことから、知りました。
本の見出しに「外敵撃破と覇権確立の神社」とあり面白そうだったので参拝することにしたのです。
本には蒙古襲来の時に、後宇多天皇は霊光殿天満宮にも、石清水八幡宮などと共に蒙古軍退治の祈祷を行わせていたという記載がありました。敵船が嵐でことごとく沈没、壊滅したのは歴史が語る通りですね。天皇はその神威に対し「天下無敵必勝利運」という宸翰(しんかん)の額を下賜(かし)したそうなのです。宸翰は、天皇自筆の文書のことで、霊光殿天満宮の鳥居にはその額が掲げてありました。
名前が天満宮ですから、ご祭神は菅原道真公です。加えて、徳川家康公もご祭神という面白い組み合わせの神社でした。なんでもまだ信康であったときに、神社の神威を聞き願文(がんもん)を納め、天下統一を果たしたことから合祀されたのだそうです。
さて、神社境内は小さいながらもきちんと手入れされていて、大切に祀られていることがわかりました。お守りも授かることができると案内があったので、インターホンで一体お願いすることができ、毎日持ち歩いています。お守りには「天下無敵必勝利運」と刺繍されているのですよ。誰にも負けない力強いお守りです。
怨霊と天下人がご祭神とは最強の神社ですし、お守りの言葉が最高ですね。これからの人生がますます楽しみになりました。
霊光殿天満宮
三重県四日市市で生まれ育ち、嫁ぎ先も四日市市内。東海道43番目の宿場町である四日市から、鉄道に乗って京都へ旅をすることがこれからのライフワークの一つです。愛用のミラーレス一眼レフを抱えて、京都を探索していくつもりです。スピリチュアルがテーマのポータルサイト「Wonder times」でコラムを連載中。「All About三重ガイド」