平日の午後、駅ビルの中にある美術館へ足を運びました。京都はやはり都会ですね。平日でも人がたくさんです。
今回鑑賞した「わたせせいぞうの世界展」は、来場者の女性たちの年齢層が高いと思いました。調べてみると、わたせさんは69歳なんですね。その日会場にいた女性たちとほぼ同じぐらいです。彼女たちはしきりに「華やいだ気持ちになる」と言っていました。同じ時代を生きてきたからこそ、実感がこもった言葉だと感じました。
確かに華やかな絵なのです。オープンカーの前に若い男性と女性が描かれていて、変化しているのは場所と季節でした。お酒やお料理、プールサイド、美しい花など鮮やかな色が多く、暗い色調はありません。それもすっきりとしているのです。だから、見ているだけで気持ちが明るくなるのです。
年齢が上がると、華やいだ気持ちになる機会が少なくなってくるかもしれません。そんなときに、わたせせいぞうさんの絵を眺めているだけで、女性たちはいつまでも明るく幸せな季節を思い出すことができるでしょう。幸せな季節は人それぞれ違いますが、展覧会では様々な季節が用意されているので、たっぷり味わうことができました。
それにしても、同じようなテーマでずっと描き続けることができるのは、素晴らしいですね。画家によっては年代によって、ガラッと描くものが変わりますが、彼は変わっていません。どの絵にも男女の恋心が画面いっぱいに表現されてます。それをわかって注文する企業もすごいです。固定的なファンがついているからでしょう。そして、同じような絵だけれど、同じ絵ではありません。
イラスト界の水戸黄門のような気がしました。
三重県四日市市で生まれ育ち、嫁ぎ先も四日市市内。東海道43番目の宿場町である四日市から、鉄道に乗って京都へ旅をすることがこれからのライフワークの一つです。愛用のミラーレス一眼レフを抱えて、京都を探索していくつもりです。スピリチュアルがテーマのポータルサイト「Wonder times」でコラムを連載中。「All About三重ガイド」