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加茂の競馬(くらべうま)

投稿:2012年9月 6日

例年五月十五日に行われる葵祭の前に、前儀と呼ばれる儀式が数多くあるのをご存知でしょうか。

上賀茂神社(賀茂別雷神社)では今年も競馬の神事が五月五日の午後二時過ぎから催されました。
すでに見学したり、テレビや新聞でその模様を知っている方も多いと思いますが、今年はその様子をじっくり観察したいと思い、私は出かけることにしたのです。

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上賀茂神社は午後になると一ノ鳥居から二ノ鳥居にかけて観客も増え、華やかに着飾った馬や乗り手(乗尻・のりじり)がすでに配置につき、本番までの時間をゆったり過ごしているように見えました。青空のもと蒼い芝と白い玉砂利に映えて、この空間のいと華やかなこと。平安時代にタイムスリップした様なめまいを感じました。

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この儀式は二頭だけの競馬、つまりくらべ馬なのです。どちらが速いかを比べるのです。
一番最初は一頭だけが走ります。これは競馬の始まりを告げる儀式になりますので、神様を乗せて走るので勝ち負けはありません。


そしていよいよ競馬がはじまりました。
出走場所近くでは、馬がいきり立っています。赤駒、黒駒。どちらかが仕掛けて走り出すのです。そして社務所あたりで決着がつきました。
勝った赤駒は首を上げて意気揚々と引き揚げてくるのに、負けた黒駒はこころなしか首を下げて引き揚げてきました。
赤駒は判定人の前で勝ち名乗りを受けます。ただ一言「勝ち!」とだけ声高な発声を受けていました。

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しかし、どうして勝ち負けが解るのでしょうか。
後で神社の方に尋ねたところ、スタート時の二頭の馬の間隔より、終点時での間隔が広がっていた場合は先頭の馬が速いことになり、狭まった場合は先頭の馬が遅いことになるとのこと。なるほど理にかなっていると感心しました。

そういえば、馬場の中ほどに判定人(二人)の立つお立ち台がありました。
今の競馬場のように、一斉に走り出すゲートのない時代にだれが考えだしたのでしょう。
しかし、この方法だと三頭以上は無理でしょう。だから二頭でのくらべ馬なのです。

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関連リンク

上賀茂神社公式サイト



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