子どもたちに、日本の伝統文化に触れる、見せる、体験させてみよう。
日本の良いものを、本物を、子どもたちに知ってもらおう。
ここ京都には、それができる機会がたくさんあります。
伝統文化への入り口…。そんな場所や催しをご紹介します。
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「薪能」(平安神宮)
京都の名物ともなっている京都薪能(たきぎのう)。
今年で65回目の開催です。私は昨年に引き続き2回目の鑑賞です。
※薪能:夏場の夜間、能楽堂、もしくは野外に臨時に設置された能舞台の周囲にかがり火を焚いて、その中で特に選ばれた演目を演じる能楽。
伝統芸能のなかでも「能」は敷居が高く、子連れで能楽堂へ行くにはある程度の年齢が必要です。
また、鑑賞する側も知識を要する難易度の高いものであり、大人でもなかなか足を運ぶことはないかもしれません。
しかし、この初夏の風物詩ともいえる薪能なら、初心者でも鑑賞できそう。
このイベント目当ての観光客や、外国からの親子連れなども、ちらほら…。
赤ちゃん連れで楽しみたいという方が、ベビーカーで席に座らず雰囲気を楽しんでいる様子。
伝統文化を広める、そして知るうえでも「薪能」は、ある意味入り口。
とても良い機会だと思います。
舞台となるのは平安神宮。
なんと贅沢な設定でしょうか。そして東山の山々を背景に鑑賞する。
このような本物を見せる経験や、静かに鑑賞する機会は、なかなかありません。
席もできるだけ後部席へ座る。
階段席になっているので、子どもたちも十分見やすい。
薪能ということもあり、薪に火がつけられ、パチパチという音や夕方から薄暗くなる自然の中での幽玄な能の世界。圧倒されました。
絢爛豪華な衣装や、異様な雰囲気をもつ能面を見て、子供たちは「あの人は、お爺さん?あの人は女の人?男の人?」とヒソヒソと話し、
また囃子の独特な音楽に、見事に心を奪われていました。
長い時間の鑑賞は、まだ難しいため、2つ目の演目が終わり休憩となった際、会場を後にしました。
「何かすごかったね」子どもたちと荘厳な世界を共有できたことは、私にとっても嬉しい時間でした。
■第65回 京都薪能 http://www.kyoto-kanze.jp/takiginoh/takiginoh65.html