京都市考古資料館へ行ってきました。
堀川今出川を西へ少し行くと、古めかしい建物があります。
昭和54年の開館だということですから、まさに考古な資料館ですね。
原始の時代から平安時代を経て、近代に至るまでの各時代の遺物が展示されています。
ここは私の散歩コースで、入場料無料ということもあり、ときどき訪れていますが
来館者はとても少なく、私にとっての落ち着ける穴場的空間です。
が、今回はちょうどNHKの大河ドラマ「平 清盛」の特別展示があり、何人かの来館者の姿がありました。
京都における平清盛や平氏一門に関わる遺跡遺物が紹介されています。
扉を開けるとロビー正面には、ど~んと、よく見る清盛公の坐像(六波羅蜜寺蔵)がお出迎えしてくれます。
つい、松山ケンイチ君を思い浮かべてしまいましたが…そりゃ無理がありますよね。
平氏の拠点となったところのパネル展示とともに、出土された甕(かめ)などから
院政期の京(みやこ)に起こった変革を見ることができます。
「焼瓦」や井戸に使われたという「板」は間近で見ることができます。
歴史のお勉強はやっぱり、文字だけじゃなくて「物」を見ることによって、いろんな出来事が
繋がって理解できるような気がします。同時に当時の人々の暮らしが、身近に感じられます。
古いものを見るときは、頭のなかで自分をタイムスリップさせてその場所に自分を置いてみる。
お姫様になってみる。武将になってみる。
これ、けっこう楽しいんです。
ぐるっと一周回れば、人気の大河ドラマを見てる人も
まだ見てない人も、「物」から見る清盛や平氏一門に
より興味が湧いてくるかもしれません。
さて、二階は常設展示室なのですが、これがまたけっこう楽しい。
時代を追って、人々の生活を見ながら、さまざまな展示を見ることができます。
上階段を振り返るとあっと驚く「兵馬俑」が!
初めて来館したときに、一番印象に残ったのがこの「兵馬俑」です。
いつかきっと西安に行って本物を見るんだと思っていたので
ここで、出会えたことは、うれしい偶然でした。
レプリカですが、なかなかの迫力です。
これは是非、見てほしいな。
そして中央には、平安時代の土器の変遷がよくわかるショーケースがあります。
陶器、須恵器、瓦器、陶磁器など、その違いって何だろう・・・ほら、興味が湧いてくるでしょ。
こんなのもあります。
縄文時代早期の竪穴住居跡(実物大・複製)
展示の流れとしては最初に、原始時代の京都、獲物を追う人々の様子が解説されています。
東山動物園からは、二万年前の大型動物の足跡が発見されたそうです。
動物園から動物の足跡・・・なるほど~って、これは偶然か考古ジョークか。
マジメな解説のなかに見つけるおもしろさもあり。
先土器時代、農耕の時代、古墳~飛鳥・奈良時代。
短命だった長岡時代。そして平安京が長安をモデルに生まれ
朱雀大路を中心とした碁盤目状に区画された我国最後の古代都市となるのです。
この京都市考古資料館に来ると、時代を追いながらわかりやすく
展示をしているので、原始からの歴史がざっとわかってきます。
この、ざっとわかるってことは、とてもよいことだと思います。
博物館に行っても、記憶に残るのは一部分でしょ。
ここはなんとなく流れとして頭に入ってくる感じがして
わかりやすいと思います。
オープン展示コーナーでは、土器や瓦の破片などさわってみることができます。
さわって楽しいのは、何もこどもだけじゃありません。
最後に、もう一度兵馬俑を見上げて、散歩終了です。
ちなみに、「平 清盛 -院政と京の変革-」展は、6月24日まで開催されています。