梅雨入りしたというのに、真夏日が続く京都。
こんな時の外出は危険。
京都の暑さは尋常ではない。
出掛ける日は、雨の日にしようと思っていたところ、やっと梅雨らしい天気に。
小雨の中、嵐山散策に出掛けた。
嵐山は、春の桜、秋の紅葉、季節それぞれの風景を見に来る人であふれている。
雨のこんな日は、人通りもまばら。
緑があり、川があり、自然が豊かに出迎えてくれる。
そんな人通りの多い大通りを抜け、天龍寺の中を抜け、湯豆腐嵯峨野さんの前にある古美術店「真乗庵 梅花」さんにお邪魔する。
使い勝手のよい、手頃なお値段の器がずらりと並ぶ。
店主さんが、いろいろと器について教えてくださった。
江戸時代と明治以降のものとでは、使われている顔料が違うそう。
江戸時代のものは、顔料はやまごすと呼ばれ、薄い青が上品な色合い。
明治以降のものは、輸入ものの、コバルトを使用するようになり、濃い青色をしている。
江戸時代の模様は手書き。
明治以降は量産品になり、模様は版を型押しするものになる。
よく見ると、模様と模様の間に版の継ぎ目がわかるものもある。
「唐花」と呼ばれる模様。
この模様も、時代によって変化していったそうで、こちらから、
こちらの模様に変化し、
だんだんに、略されて、デザイン化されていっている。
インディアンの顔に見えるなんて思ってしまった。
こちらのお椀は、萬延元年のもの。
ちゃんと木のあつらえた箱に収まっていた。
こちらも筆で手書き。これはもう芸術の世界。
江戸、明治、その時代のものが、その時代に使われいた様子を想像すると、その時代にタイムスリップした気分を味わえる。
店主さんは、本物を見極める、真贋をもつことが大事といわれていた。
やっぱり本物から醸し出される雰囲気は、何かが違う。
本物のいいものを沢山見ていると、だんだんと良さが見えてくるようになる。
だから、たくさんいいものを見て、使って、生活で楽しんでほしいといわれていた。
「鉄道少年舎」さんのちょこラマ。
梅花さんでは、梅花さんの骨董のしょうゆさしを使ったジオラマ作りができる。
ジオラマ体験とお茶付で、和菓子は老松さんのもの。
京都には季節ごとに季節にあった和菓子がある。
「梅花」さんを後にする。
石仏と紫陽花。
京都にはいたるところに本物があり、アートがある。
九州から引っ越してきた私の憧れ。
それはたくさんの良いものに触れて、見て、暮らしの中にひっそりと良い物を取り入れ、その暮らしが自然に当たり前となり、身に馴染んでくること。
そうなれればいいなあと思った一日でした。