ファインバーグ・コレクション 江戸絵画の奇跡を、滋賀のミホミュージアムまで見に行ってきました。
琵琶湖線、石山駅からバスで50分。
山道をのぼり、バスを降りると、木々に囲まれ、あたりには何もない、空と美術館があるのみの世界です。
非日常を楽しむのにはうってつけのロケーション。
バスを降りて、すぐにある建物は、チケット売り場と、レストランでした。
絵の展示は、そこから少し離れた建物で開催されていて、そこまでは、何往復も頻繁にしている、10人乗りのカートで送迎してくれます。
琳派、文人画、円山四条派、奇想派、浮世絵と分かれて紹介されていました。
京都ゆかりの琳派では、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、神坂雪佳など、各世代の作品が展示されています。
狩野派など、幕府や大名に仕えた時代から、組織や派閥に属せず、独自の世界を描く時代に変わっていく様子が、風景や植物と一緒に描かれた、生き物たちの愛らしさから伝わります。
俵屋宗達の虎の表情や、毛のほわほわした感じ、仕草のかわいいこと!
鈴木其一の鶴の迫力。
酒井抱一の十二か月花鳥図の、かえるや、蝶、すずめの、ほのぼのとした様子。
文人画では、与謝蕪村や池大雅の作品。
与謝蕪村は俳人としてしか認識していなくて、水墨画の素晴らしさにびっくりしました。
円山四条派では、華やかな、円山応挙の作品など。
奇想派では、京都出身の伊藤若冲、長沢芦雪など、革新的な絵画が登場します。
長沢芦雪の描く犬は、撫でたくなるような、丸々とした体を寄せ合っています。
浮世絵では、葛飾北斎、歌川広重など、力強い作品がそろっていました。
俵屋宗達の虎の絵を前にして、「かわいい!」と見る人達は声を上げていました。
芦雪の犬や、抱一のかえるの前でも、「かわいい!」の声が。
「かわいい!」と声を掛けたくなるのが、江戸絵画の魅力なのかなと思いました。
8月18日まで開催。 その間、絵の入れ替えもあるようです。
レストランが人が多く、絵画の展示をしている建物の中にある、カフェで軽食をとり ました。
サンドイッチ、古代米のサラダがついていました。 お皿や、カップなど、美術館オリジナルのものでした。
自然が豊かで、桜の並木道もあり、季節の風景を楽しみに行くのにも、いい美術館です。