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「百獣の楽園」展をみて(京都国立博物館)

投稿:2011年8月17日

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絵画をこのようにテーマ別に展示するのを時々目にするようになりました。
今回のテーマは動物。実は同じテーマで東京でも開催。

展示会場では、象とか犬とか猫とかが、やたら大きな文字で動物(絵画)を種類別に展示。
動物園を意識しているのか。
時代や画家、国に関係なく並んでいるので、同じ動物でも全く違った表情をしている。
その典型が虎やキリン、実物の動物を見ないでどのように描くか。猫のような虎もいる。もちろん、いわゆる虎そのものもいる。
でも、不思議ではないか。虎を目の前にせず、どうして虎らしく描けるのか。

実は、今回の展示会、京都国立博物館では、特別に今回の為に収集したのではなく、収蔵庫にある(住んでいる)動物を集めたものである。

たまたまかもしれないが、みなアジアの絵画(中国、インド、日本)で西洋のは一つもない。
振り返ってみれば、今まで私が見てきた西洋画は、宗教画、人物画、風景画の3点、あと食べ物等の静物画もあったが、とにかくこの3点が主であり、動物をテーマにしたのは無かったように思う。
これは思想とか宗教、文化の違いなのかもしれない。
今回の作品でも、お釈迦様と象や他の動物が一緒に描かれているインドの作品があったが、全く違和感がない。
過去の西洋では、動物はあくまで家畜だったのか、従であり、絵画のテーマにはなりえなかった。

今回の展示会で一つ異質なものがあったが、それは女の人が犬を抱いている像である。
今回、人間が出てきたのは確かこの一点。
日本人は、動物を、たとえ、愛玩動物であっても対等に、そして畏怖、愛情、時には敬意さえ感じる眼差しで見てきたのだということに、私は誇りを感じる。
そして、この素晴しい文化、思想がどうか受け継がれていってほしい。
自分と違うものに対し、過去の日本人の方がずっと謙虚で、柔軟だったのかも。

ふと、ドリトル先生の本が読みたくなった。

文責:そら 編集:京都で遊ぼうART
 

関連リンク

百獣の楽園-美術にすむ動物たち-(7/16-8/28)

京都国立博物館
 



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