今森光彦さんのお名前は、子どもの本を通してよく目にしておりました。
また、滋賀県在中ということもあり、どこか親近感を感じておりました。
ですが、それはあくまで昆虫写真家としてであり、2009年のNHKの趣味悠々で切り紙を 紹介されたときは少しびっくりいたしました。
今回の展示会を見て感じたのですが、今森さんにとって切り紙は、仕事から離れた楽し みでされている、遊び心が一杯つまった、肩の力を抜いて…絵日記のような世界ではないかということです。
切り紙に夢中になっていた小学生の今森さん。勝手に手が動いてしまう。そんなノ リ。
木箱の中に入った作品はまさに夏休みの昆虫採集です。
切り紙というとどうしても黒などの単色の紙を使った影絵のイメージがあるのです が、今回は色々な色紙を使って、貼り絵のような作品も沢山目にすることができます。
その中で、私が最も好きなのがオオハシという南米の鳥を題材にした作品です。
くちばしが大きいからオオハシなんですが、身体は真っ黒け、ちょっとカラスにハデ な色の大きなくちばしをつけたようなそんな鳥です。
で、私自身この鳥には深い思い 入れがあり、小学生の頃どうしてもこの鳥を飼いたくてお小遣いをためたりしていました。
ですから、ちょっぴり詳しいのですが、まあ、今森さんのこのオオハシはまさ に私が求めていた大好きなオオハシだった訳です。
写真ではわかりにくいのですが、 黒い羽根の描写がとてもリアル。
羽根の重なり方が、まさしく鳥。質感とかが、紙なのに羽。あのふわふわ感がとってもそっくりで感激しました。
今森光彦さんは現在、写真家、切り紙作家といった芸術活動だけでなく、子どもたち と里山を歩いたりというような社会的な活動もされているようです。
私はこのような 素敵な方が自然を愛し、それを自ら活動をおこして広めておられることにとても感動しました。
今森光彦さんは、自然が大好きで、その感動を少しでも伝えたい、
それが写真であ り、切り紙であり、里山活動なのではないでしょうか。
文責:そら 編集:京都で遊ぼうART