薔薇をこよなく愛した作家ということで、薔薇づくしの作品展と勝手に思い込んで会場に向かった私。
しかし、そこにあったのは薔薇の作品もあります.....でした。
しかしそれは期待外れというものではなく、もっと魅力的なものがそこにあったと言 うべきでしょう。
印象派モネのようなやわらかい色使い、しかし光(木漏れ日だったり夕暮れどきの灯 りだったり)を非常に有効的に使って独特の空間を作りあげています。
窓からもれる灯り、この灯りが実際に窓枠の奥で灯っているかのように見え、思わず キャンパスに近づいてしまう。
が、そこにはキャンパスに絵の具がついているだけ、 で再び離れて見るとやはり灯りが灯っているように見える...こんなことを何度か繰 り返してしまいました。
また彼の作品は、技法は印象派なのに実に写実的という印象を受けました。
現実を100とするなら、彼が描くのは80パーセント。
残りは見た人が想像して1 00にするという感じです。
素晴しい風景を写真に収めてもなかなかそのときの感動まで伝わりませんが、 彼の作品はその逆です。
作品を見ると私たちも作者と同じ感動を味わえる、まるで私 たちがその風景を目の当たりにしているかのような空間がそこに存在するのです。
彼独特の幻想的な世界を是非味わって頂きたいです。
以上 そら でした。