奈良と京都の間、木津川流域の南山城にこれ程多くの寺院が点在し、重要文化財が守られていたとは。
中には、一休寺で有名な酬恩庵(しゅうおんあん)もある。そう、あの一休さんなのだ。
展示されている彼の袈裟や笛などの遺品を見ると、一休さんも想像上の人物でなく、確かに存在していたんだと、過去との繋がりを感じる。
一休寺は京田辺市に存在し、私自身今まで何度も近くを通っている。なのに、まさかあの一休さんのお寺とは思わず一度も訪ねたことがない。
南山城の寺院はみなそのような存在なのではないか。
京都や奈良の中心から遠く、しかも京都と奈良にまたがっているため、調査研究が遅れたのではないかと思う。寺院としての本来の役割を担っていただけなのだ。ひっそりと。
如何にも京都らしい風景画。人々が求めているいわゆる「京都」。
とても残念だがあまりこういう光景も見られなくなった気がする。
ここで描かれているのは理想の日本。静かで美しい日本、ずっと受け継がれてほしい。
また、展示会場の堂本印象美術館は前から行きたかったところ。建物のモダンアートを見て、一遍に堂本印象のファンになってしまった。12月にある没後40年・堂本印象名品展が待ち遠しい。