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「清川あさみ展」感想レポート

投稿:2017年3月29日

先日、美術館「えき」KYOTOて開催されていた「清川あさみ展」に行ってきました。清川さんは現在放送中のNHK朝ドラ、「べっぴんさん」のOPに使われている作品を作っておられる刺繍作家さんです。刺繍というと布に施すのが一般的ですが、清川さんは紙や写真に直接縫い付けるのだそう。聞きなれないスタイルにイメージが湧かないまま、わくわくと足を運びました。

会場に足を踏み入れ、まず目に入るのが文庫本コーナーです。三島由紀夫の「金閣寺」から、原語のフランス文学、楽譜まで本のジャンルは多岐に渡りますが、それぞれある1ページに作品が縫い込まれています。ぱっと見ただけではとても紙に針を刺しているとは思えない、繊細なデザインと緻密な糸の運び... 思わずため息が出てしまいそうです。さらにこの作品、清川さんが実際に本を読み、最も印象深かったページに作品を織り込んでいるのだそうです。言葉に触れて感じたことを言葉以外の方法で表現する、しかも糸で絵を描くなんてとても素敵ですね。またよく見ると、そのページ1枚だけに針が通っていることが分かります。想像するだけで気の遠くなりそうな緻密さです...さらに刺繍によって地の文章が隠されていることでかえって想像力がかき立てられ、より一層魅力的な作品となっています。

順路を進むと、女優さんのポートレートにビーズや刺繍を加えてイメージを表現した作品群に出会います。今をときめく旬の女優さんからベテランの大女優さんまで様々な年代の方がモデルになっていますが、いずれもそのイメージを動物とコラボさせ、個性を際立たせるような作品となっています。ある女優さんはビーズやスパンコールがふんだんに使われたゴージャスな姿に、別の女優さんはカラフルな刺繍糸があしらわれたポップな姿、あるいは光沢のある糸が使われた艶やかな姿に... と1枚1枚見ていくのがとても楽しい作品です。

最後に「べっぴんさん」のOPで使われた傘の作品を見て、大満足で出口へ。
清川さんの作品は、刺繍糸という柔らかい素材を使っているからかシャープな作品にもどこかほっとするような温かみがあり、見ていてしあわせな気持ちになりました。「べっぴんさん」の世界観ともぴったり!繊細さとダイナミックさが共存する清川さんの作品たちに触れ、リフレッシュすることができました。

 



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