京都東山、丸太町通の東端近くに泉屋博古館がある。
主な蒐集品は古代中国の青銅器。銅精錬を発祥とする住友家のコレクションである。
青銅器は四つの時代に分けて配置されている。
商(殷)の時代は紀元前千五百年、今から三千五百年前に遡る。
鼓や酒器、食器など祭器の表面を飾るのは「トーテツ(饕餮)」と呼ばれる原始の神様の文様。
神様が人間と同じ姿形を採るようになるのはずっと後の時代のことだそうだ。
厚さ3ミリで緻密な文様の青銅器がどのようにして作られたのか、蛇や鳥の文様がどのように龍や鳳凰に姿を変えてゆくのかなどが興味深い。日本はまだ縄文時代だ。
時代は下り、太公望、孔子や孟子、項羽や劉邦、三国志の時代を、ボランティアガイドの説明で一気に駆け抜ける。
最後の部屋には銅鏡が並んでいる。
そこでやっと、日本の古代史、卑弥呼や古墳時代につながるのだ。
東洋文化のオリジンを日本文化の中心・京都で体験するのは、趣のあるものだ。
文責:S.F. 編集:京都で遊ぼうART
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