駅で手にした美しいチラシ。
袖の形にくりぬかれていて中開きに開くことができます。
その美しさにちょっとした感動がありました。
チラシでさえこれだけ美しいんだから、実物を見ない手はないと思って行ってきました。
「着物の原型といわれる「小袖」180点を桃山時代から江戸時代にかけて展観する時代絵巻」
・・・と謳われても、何のことやら、ピンときません。
そもそも、着物といえば七五三とか成人式とか卒業式とか結婚式とか、それこそ一世一代の晴れの日に着る晴れ着という感覚だし、
色合いにしろ、柄にしろ、古典やモダンやいうても画一的なイメージでした。
会場に足を踏み入れて最初に吸い寄せられたのが、桃山時代の「段に草花と円梅文様寄せ裂小袖」でした。
濃茶、薄茶をベースにからし色やクリーム色をさし色に茶系でまとめられ色合いの渋さ、
大胆な段(縞)模様に草花、梅を散らした構図のシャープさに目を奪われました。ビックリするほど洗練されてて美しい!
チラシに使われる「柳桜に箏文様小袖」は、右から左に流れるような優美さ、華やかさ。
ひとつ置いて展示される「菊繋ぎ文様小袖」は大きな菊を並べた斬新なデザイン。どれも本当に美しく、目が喜びます。
大切に保管された中から選りすぐって美しいものばかりが集められ、展示されてるのだから美しいのは当たり前ですが、それにしても美しい。
圧巻は「束熨斗文様振袖」(HPより)
それぞれに美しい裂がパッチワークのように配置され金糸の刺繍で彩られ、そのデザインの大胆なこと、華やかなこと。豪華絢爛とはこのことかと思います。
時代が下るにつれ、武家女性の「端正」、町方女性の「粋」、公家女性の「華」と好みがわかれていくさまも面白い。
江戸時代、宝暦期の展示は、青色のバリエーションが見事でした。納戸(なんど)色、花色、紺、藍など落ち着いた色合いが江戸の「粋」にふさわしい。ほかにも、萌黄色、浅黄色、憲法色など、日本の豊かな色がありました。
たくさんの人でにぎわってましたが、9割までが女性でした。
今も昔も、美しい着物、デザインを楽しめるのは女性の特典かもしれません。
文責:虹色 編集:京都で遊ぼうART