白いお皿にブルーの濃淡だけで描かれたイヤープレートや、いかにも上品なカップソーサーなど、ロイヤルコペンハーゲンの美しい陶磁器はデパートの陳列台でも楽しめますが、「魅惑の北欧アール・ヌーヴォー」と銘打つコレクション展となると、不思議な味わいがありました。
トカゲやヤモリ、ナメクジ、きのこなど、日本人の美意識からすれば、どうしても?マークがついてしまいます。
それが繊細に、精緻に、優美に作られれば作られるほど、?マークが点滅します。
なるほど、こういう品々こそ、コレクションするに値するんだろうな~と妙に感心しながら見せていただきました。
普通にかわいらしい犬や猫、美しく描かれた花などの陶磁器ももちろんありましたが、ほとんど印象に残っていません。
ことほどかように、トカゲやヤモリ、ナメクジ、きのこのインパクトは大きいものでした。
普段、ふれることのない感性(異文化)にふれ、目にすることのない多彩な表現を楽しむ貴重な経験となりました。
文:虹色
陶磁器に出会うVI 塩川コレクション「魅惑の北欧アール・ヌーヴォー ロイヤル コペンハーゲン ビング オー グレンダール」