バーナード・リーチと聞いてもあまりなじみがないと思います。
私は以前、アサヒビール大山崎山荘美術館 で彼の作品に初めて出会いました。
大皿にツバメやシカ、兎などがユーモラスにそして大胆に描いてあったり、波線模様を指書きしていたり、ケーキをデコレーションする時みたいにしぼりだしの線描きで模様を描くといった風に、自由でのびのびとした温かみのある作品に、日本の陶器にイギリス人バーナード・リーチが英国の感性を吹き込んでいると思いました。
今回、京都高島屋で彼の生誕125周年「バーナード・リーチ展」があるのを知ったのも、新聞広告だったか電車の広告だったか定かではありませんが、キリンの原型のような動物、クリフォンの楽しそうに踊っている姿が描かれた、黄土色の大皿の写真を、展覧会の広告で目にしたからです。
「あっ、バーナード・リーチだ。」私はすぐさま思いました。
そして展覧会へ行って120点もの彼の作品を満喫し、図録まで購入してしまいました。
リーチはイギリスと日本を何度も行き来し、益子や福岡の二川、九谷など各地の民窯を訪ね、各窯の技法や特徴を作品に反映させ、多くの作品を作っています。また、「民藝」を提唱した柳宗悦とその仲間、富本憲吉、浜田庄司、河井寛次郎らとも親しくしていたので、今回の展覧会では最後に浜田庄司、河井寛次郎らの作品も楽しめます。
リーチがスケッチした浜田庄司と河井寛次郎の後ろ姿は、なかなか見るチャンスが無いと思います。それぞれの性格が感じられる後ろ姿です。
2012年10月31日~11月11日と短い期間なのが残念ですが、四条河原町なのでとても便利です。
おまけに展覧会の隣は「北海道大物産展」をしていますから、食欲の秋と芸術の秋がセットで楽しめるはずです。
文:虹のSIKA