京都国立近代美術館4階のコレクションギャラリーに、1960年代を中心にした85枚の映画ポスターが展示されていました。
古い、知らない映画が多かったのですが、 時代を強烈に感じさせるポスターもあれば、 時代をまったく感じさせないポスターもあって面白かったです。 「いかにも、古くさいな~」と感じるようなポスターも、 その「古くささ」が逆に新鮮に見えてきたりするから余計に楽しめました。
黒沢明監督の「どですかでん」や「影武者」はアートのようにかっこよかったし、 ポップな色づかいがオシャレな「シェルブールの雨傘」、 赤と黒の2色つかいが大胆な「愛情物語」(横尾忠則作)のポスターもよかったです。
だけど、特筆すべきは野口久光さんの手によるポスターです。
「禁じられた遊び」「旅情」「大人は判ってくれない」など、 劇画タッチのイラストも、フォントにはない味のある文字も素晴らしく、 映画以上に映画を表しているかのような、強い印象を受ける作品でした。
ポスターが「スクリーンの外側に花開いた映画芸術」であるのはそうだとしても、 むしろ、子ども心に記憶に残っているのは映画看板の方だったりします。
いろいろな映画を一ところにあつめたシネコンでなく、 その映画しかやっていない昔の映画館には大きな看板が掲げられていました。怪獣映画から恋愛映画から戦争映画まで、目に飛び込んでくるインパクトは大きかったです。 あの映画看板たちだって、立派な映画芸術だったように思います。 いくつかでも、どこかで保存されているとよいのですが…
岡崎まで来たので、何年か前に見て感動した青蓮院門跡の紅葉も見てきました。
拝観料を払わないで見られるところにある紅葉。今年もやっぱり美しかったです。
文:虹色