住友グループ秘蔵名画展だけあって、もの凄く上等の濃密な花たちがありました。
これまでに、鑑賞したお花の企画展の中で、1番香り高く感じました。
それは、油絵だったこともあるのですが、華やかなバラが多くて、それらが印象に深く残ったからかもしれませんね。
少し暗めの照明がよけいに、ゴージャスかつエレガントなお花に意識を集中できることに気が付きました。
人間の嗅覚は暗めの時に鋭くなるそうです。
美術館の外では、目もくらわんばかりの紫外線量なのですが、油絵たちは室内で鑑賞されることを計算されて描かれているのでしょう。
どの作品も瑞々しいタッチで描かれているのです。
まして、現代の照明とは違っていて明治期~などでは、押し並べてほぼ室内は暗かったと推測されます…
何となく、かなり濃密なのが腑に落ちませんか?
いらしたら明治時代の建物に迷い込んだと想定してご覧になると、一層作品の良さを感じられると思います。
最近、その年代の室内の明るさと、飾られたであろう客間・応接間・玄関などを妄想しながら鑑賞することに快感を覚えます。
「黒田の野菊は、一体、どこに飾られていたのか知らん?」
と、心の中で呟いて館を出ましたら、お日様が真上から燦々と降り注ぎ、痛いくらいでございました。
展覧会は7月15日まで。
文責:京おはるぅ~
特別展 住友グループ秘蔵名画展 -花-