「静寂」 (c)MAYA MAXX
祇園祭の鉾巡行が終わった数日後、四条通りも少しは静かだろうと、何必館にMAYA MAXX展を観にやってきました。
京都の蒸し暑い夏にはかわりはないが、一力亭の北向いにこんな空間があるとは!…びっくりしました。
そして、正直、「MAYA MAXX」さんが何者かも知らずやってきました!
いただいたチケットの絵をみて、また、現代美術館で展示されているんだから、今活躍されているアーティストの作品なのかな?と
まず入口にはいると祇園界隈にいることは忘れてしまいました!
左壁面に「夢2013」の赤い帽子?の少年のまなざしに釘付けされる。
シンプルで大胆な構図、どこかの絵本で見たような絵だなと思いながらエレベータで2階へあがる。
MAYA MAXXさんが、女性アーティストで、絵画、絵本、デザイン、ライブペイントなど、ジャンルを超えた多彩な活動を行なっておられ、この何必館で10年に渡ってシリーズ展をしていると分かる。
この3月には書道界の大きな賞であるらしい第8回手島右卿賞を受賞するなど、絵画の領域だけに留まらず、垣根を越えた表現は幅広い分野で高い評価を得ているという説明に出会う。
若い世代の支持が高いらしく、館内では若い女性のグループやカップルが鑑賞している。
2,3階の展示ものびのびしたシンプルな表現で私にはこの人は絵本画家と思えてしょうがない。数年前仕事を定年した今も絵本が好きな私に、絵本出会ったような気持ちにさせる作品群だった。
5階にあがると、この建物のすばらしさにまた出会う。
お庭にお茶室、そして床の間に「生命の樹」という作品が飾られている。力強い作品、色も美しい。
廊下のソファーに座って今までの図録を見せてもらう。
屏風に作品を描いたり、仏画、牛の絵など本当に多彩なアーティスト!
今回たまたまチケットをいただいたからこそ出会えたが、自分からだと知らないまま過ぎていたと思うと本当に感謝!
そしてもう一つの感謝は、何必館の地下1階で魯山人の椿の器に出会えたこと。
最後に、村上華岳の作品に魅せられて、「何必」(何ぞ必ずしも)という、「定説を常に疑い、それに縛られない自由な精神を持ち続けたい」という館長の願いからできたというこの美術館=何必館、自体がその名を体現しているというのも納得の展示と美術館でした。
文責:笑吉
絵を刻む MAYA MAXX 展