梅雨の曇空はある種、ラッキーな”美の巡礼”空間をもたらしてくれます。
6月28日、最終日だったので象彦漆美術館の「宮廷の雅展」へ行ってきました。
チラシより、触れられる作品?と、十二単を着ている御姫様の”手”が気になっていまして、居ても立ってもいられなくて走って行ってきました(笑)
偶然係の方が先行入館のお二人に、解説されていて、ラッキーでした。
三井記念美術館で展示された作品の下絵があったり、展示品の貝合せはGHQ占領下の頃、マッカッサーに貝の中から1ヶ(片側)をプレゼントされていたとか…その貝は「マッカッサー美術館」に展示されているとか?いないとか?
プレゼントされた1ヶ以外が全て揃っていますそうなぁ~
そして、眠れないくらい気がかりな、十二単の姫の”手”の疑問も、やはり行って拝見して、その謎が解けましたよ!
硯箱の蓋の裏に、表の蓋の描くところの几帳の裏で、(蓋の裏側)演奏前の姫はスタンバイされていたのです…
その昔、高貴な十二単を着られるレベルの姫は、人前で”手”を見せることは、大変はしたない、例えるならば、裸を見せるような事だったそうです。
なのに?象彦さんのチラシの姫には”手”が描いてある…?
これは演奏前の几帳裏で、控え室的空間にて、琴を前に演奏準備されている図だったのです。
姫はお手々ブラブラのウォーミングアップ図だったのでしょうか・・・(笑)
学芸員さんみたいなお店の係の方も、蓋の裏に描かれていた几帳裏だった事を、再確認されて、二人して納得し合いましてお互いに溢れる笑み!
やはり、最終日に走って行ってヨカッタです。
「留守模様」←主人公・主不在にもかかわらず、物語のモティーフを描いて、物語の場面をイメージ出来るようにしてある様だそうです。
サロンにて、そこでの教養の高さを誇れる一握りの、ハイソなクラスの人たちのための調度としての”京蒔絵”。
あぁ~最終日に滑り込みセーフで鑑賞させて頂いたお裾分けです(笑)
その後、後期の展示替えのある「細見美術館」へ、徒歩3分
静かな、夕方のエレガントな時間&空間でした。
お目当ては「愛染明王像」です。
やはり大迫力で魅了されましたし、祇園祭礼図屏風では何分くらい独占していたでしょうか?細部まで舐める様に鑑賞させていただいて、鉾や行列の衣装や装束をじっくり、たっぷり堪能させて頂けました。
今回は、10点の作品の差し替え展示です。
前半をご覧でしたら、展示替えは初めての部屋、つまり第一室に集中しております。
第2室では、刺繍大日如来像が意表を突いていて圧巻でした。
お姿が描いてませんねん・・・
その代わりに、いえ、本来のお姿の梵字がおわしました。
この意味が理解出来ないくせに、とってもありがたくって、座り込んで見上げると、刺繍で刺した部位の髪の毛のツヤに感動してしまいました。
「あぁ~ほんと!人の毛、黒髪や!」
後半2室は前期と同じです。
開館15周年記念特別展Ⅱ 日本美術の荘厳-祈りとかざり-
館を出まして、信号の言うままに、勧業館も覗いてみました。
へぇ~ここは穴場やねぇ~ええわぁ~梅雨末期のゲリラ豪雨の時は、ここへ逃げ込むのが最良みたい・・・
分かり易い展示スペースや体験コーナー&即売コーナーなどが、余裕の贅沢な空間に展示されてます。
無料であること、一流品の製作過程が分かる展示、そしてゆったりとしていて、とっても快適!
つくずく京都人、京都知らずですねぇ~勿体ないから、ドンドン利用して京都の奥深さと共に一級品一流品を再確認することも大切ですわね。
舞妓さんによる、イベントのあることも知ってビックリです!
ある種、ものすごぅ~く贅沢ですやんかいさぁ~(笑)
勧業館の閉館は17時・細見美術館の閉館は18時です。
文責:京おはるぅ~