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京都・美のタイムカプセル(京都文化博物館)を観てきました

投稿:2013年11月 8日

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秋野不矩「深山の春」

今回の「京都・美のタイムカプセル」展は、京都文化博物館開館25周年記念および京都府立総合資料館50周年記念展示とのことで、絵画、陶器、着物、郷土玩具等の幅広い収蔵品を、3、4階に集めたものでした。
また、2階の総合展示室でも、祇園祭の占出山の名宝、池大雅コレクション、陽明文庫の名宝の展示がありました。
文化博物館は、いつも4階から順にゆっくり見て、3階・2階へと降りていくので、とても見応えがあります。

4階には、まず吉川観方のコレクションが展示されていました。観方自身の版画や日本画の作品でなく、風俗史家として収集したものの内、京都府立総合資料館に寄贈された物の展示で、初めてみせてもらうものでした。

上村松園の最初の師である鈴木松年の「暗流蛍火」は心に残る作品、近江八景文様の櫛・いち止・簪は小さくて図柄がよく見えず残念!でした。
京都府蔵の池大雅コレクションは、今休館中の大雅美術館の展示品ではなく、総合資料館に寄贈された作品の展示でした。
富岡鉄齊の「懸崖図」は、鉄齊74歳の作品と書かれていたが力強く美しい水墨でした。

「京の百景」、「京の四季」、「いのち賛歌」、「こころの京都」は、京都府がその時々の活躍されている作家100名に依頼し展示した以前の作品のいくつかをピックアップして紹介しているもので、私も印象に残っている作品が多かったです。
今回のちらしの表の秋野不矩さんの「深山の春」や、畠中光享の「聖仔牛」は、初めての出会いでした。
聖仔牛の少女は、今の畠中氏独特の女性になる前の絵かと、とても興味深かったです。

3階は、織物、染め物、陶磁器、塗り物等の名品の展示でそれぞれに美しく楽しめました。

臈纈染屏風の「かくれ切支丹」は、色がきれいで、構図が大きな箱を思わせる柔らかい形でした。
その箱に架かる紐と思われるのが、人が手を繋ぐデザインになっていて、箱の上の模様がマリア?(かくれ切支丹の母像?)が染め出されていました。当時の隠れ切支丹の状況が、箱型とその中身を隠す繋いだ人の手と母の姿で表現されていて、とても印象深かったです。

陶磁器では、乾山・木米・初代道八等、また、三代から六代の清水六兵衛の作品が並んで見られ贅沢な展示でした。
また、全国の都道府県の郷土玩具が一度に見られたのもおもしろかったです。

けっこう疲れたので2階の総合展示は、前回みた「こころの京都」の時と同じだろうとパスしようと思いましたが、軽く一巡しようと入室しました。
ところが、最初の映像以外、展示替えも多く、特に祇園祭の占出山の前懸の日本三景はすばらしかったです。
また、陽明文庫の初公開「俊寬書状」や藤原道長の御堂関白記は、歴史好きの方には必見でしょうか。

いつもながら盛りだくさんの内容で満足と疲れをもって帰途につきました。

文責:笑吉


京都文化博物館開館25周年記念 京都府立総合資料館開館50周年記念 京都・美のタイムカプセル



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