烏丸三条を少し西へはいったところに、お茶で有名な伊衛門のカフェがあります。その2Fにショップを併設した京友禅の老舗「千總」のギャラリーがあります。とても静かで大人を感じるギャラリーです。
2月18日まで「恋する小袖」と題して、江戸時代(主に18・19世紀)の小袖や振り袖が私たちの訪問を待っています。
小袖に表された文様を「恋」をテーマに読み解く。という今回の展示は、「めぐり会い」に始まり「別れ」「約束」と、3テーマに分かれています。
それぞれの小袖や振り袖には、「源氏物語」にちなんだ夕顔や御所車、「伊勢物語」の都鳥にちなんだ杜若と葵に蝶、謡曲「羽衣」の小袖には三保の松原とそこから望む少し細長い富士山が着物の左前に描かれています。そして近江八景、菅原道真の飛び梅。
一枚一枚の着物に、文学、能楽、和歌にちなんだモチーフが風景や松、秋草などの自然や四季の中に友禅や刺繍で描かれています。
それはまるで、屏風か絵画を見ているように美しくもあり、知性や教養が垣間見られるなかに華やかさのある斬新な意匠に包まれています。
このような小袖や振り袖を着ていた江戸時代の女性たち、心憎いではありませんか。本当のおしゃれは彼女たちの事をいうのかもしれないと思いました。
日本文化を楽しんだ後は、1Fの伊衛門カフェでランチをしました。お釜で炊いた白いご飯にマグロの竜田揚げランチは、薄味で素材のおいしさが感じられ、和食を楽しみました。
文責:虹のSIKA