にぎやかな祇園の四条通り北側にある静かで素敵な美術館・何必館で26日まで開催の山口薫展に行ってきました。その後、風邪をひいてしまい、感動を投稿するのがおくれてしまいました。
自分の趣味趣向からだけだとなかなか足を運びにくい洋画の世界ですが、前回のマヤマックス展の際、何必館で観た「おぼろ月に輪舞する子供達」の作者の展示としり興味を持って、寒い寒い底冷えの日に行きました。
山口薫(1907-1968)氏は、館長さんの大好きで尊敬(敬愛?)されていた作家さんらしく「詩魂の画家」とも評された画家とのこと。
二階展示室の「花の像」は、デビュー作となったと説明にありました。女性のまなざしがどの角度からみても印象的で、顔の陰影も観る方向で違うような「花の像」という題名がなるほどという美しい作品でした。
「牛と少女」という作品、この作家が少女に寄せるまなざしが牛という動物を使って表現されているのか、この作家が少女と同じくらい動物たちを愛しているのか、優しい美しい色使いです。「花の像」での訴えかけよりまろやかな優しさをかんじる絵でした。
「柿の秋」も秋の暖かさが感じられるもので、この作家の自然に対する気持ちが伝わってきました。
絶筆となったと説明にあった「おぼろ月に輪舞する子供達」ですが、前回(マヤマックス展の時にみたと思う)の印象は、絵本の絵のように思っていました。が、「死を予感し、来世であるとおもわれるおぼろ月へ帰っていく山口薫の辞世の画」とのこと。とても穏やかなでシンプルな色で、この方の詩情豊かな感性を感じさせてもらえる作品でした。
今回も地下1階の魯山人の器をみせてもらい、ゆったりとした気分で館を後にしました。
文責:笑吉