京都市内の北西、金閣寺近くにある堂本印象美術館は、印象自身の作品を展示するため自らのデザインで建設、没後は京都府に寄贈、運営されているとのことだが、銀白色の外観が美しい。
今回の展示は、「京都の美しい自然や文化を広く紹介し、後世に伝えるため、京都ゆかりの作家によって描かれたシリーズ(京の百景、京の四季、いのち賛歌、こころの京都…)の内、「京の四季」(1986年に制作)と、「いのち賛歌」(ワシントン条約第8回締約国会議を記念して1992年に制作)からの展示とのことでした。
この展示では、春と夏の自然や景色に想いをよせた作家の作品を、日本画家であり館長である三輪晃久氏が選ばれ・レイアウトされたということでした。
京都の春というと、桜を描いた「円山のしだれ桜」(武藤彰)、「魁櫻」(三輪晃久)、「春宵西行桜」(木下育應)など何れも美しい作品でした。
舞妓さんと桜を描いた「祇園春宵」(磯田又一郎)も春を彩る京都らしい作品。夏の花火や地蔵盆の様子を描かれた作品にも心がなごみました。
クレパスで描かれた賀茂川もおもしろい作品でした。
「いのち賛歌」シリーズのひまわりをバックに若い女性の作品(来野あじさ)
は、まさにいのちの賛歌でした!瑞々しい感性の作品ですね。
同時に開催されている「印象の襖絵下絵」展もみせてもらえ、うれしかったです。
ずいぶん以前に、智積院と法然院の襖絵は実物をみたことがありました。
その後、たいぶ経ってから、堂本印象美術館で日本画家としての印象の作品(1929年第10回帝展の絹本着色 「木華開耶媛」のような作品)をみる前だったので、美術館でヨーロッパ後の作風の大きな変化を知った時、大変おどろいたことも思い出し、楽しく拝見しました。
最後に、今回の作品感想とは関係のない蛇足になりますが、堂本印象美術館が、65才以上の方には無料開放されていることは大変うれしいことです。私もあと少しで自由にこの美術館でいろいろの作品を見せてもらえるのが楽しみです。
文責:笑吉