ホイッスラー展へは2回行ってきました。
それはそれは素敵な一瞬が描かれてあったから…
夕暮れから、やがて夜の闇に包まれるその狭間が、湿度感と共に描かれています。
江戸の情緒も感じる訳で、ベースには日本への憧れがあって、構図の多くには浮世絵が参考になされいます。
だそうですが、充分に熟れて自身の審美眼に添って作品は昇華されています。
一括りに、浮世絵の影響を受けたとだけ紹介されるのには、少し不服です。
多くの作品は強烈な個性から派生していて、オリジナルな訳です。
孔雀の間は何回観ても驚きます。
注文主を無視して、己を貫いた、だからパワーが弾けて要るような気がします。
けど、そこは日本人には落ち着けない空間に違いないと思うからこそ、見世物的な煌びやかさが魅惑的です。
「うふふ、やってくれるじゃないの」とニヤリとしましたよ。
さて、修復後お披露目のボストン美術館華麗なるジャポニズムの目玉は「クロード・モネ<着物をまとうカミーユ>」
ただ、全てが科学捜査の勝利のように誇らしく説明されてました。
というのは、実はここにこれが描いてあったことが伴明しました。と云々説明がされています。
興味深いのですが、作品の鑑賞の邪魔になりはしないかと、老婆心です。
ゆったり、美しく輝きを取り戻した画面を眺めていたかった人も多かった と思います。
以前、ゴッホ展で科学の実験的な展示でうんざりしたトラウマかもしてません。
実際に、ボストン美術館には多くの日本の作品が所蔵されているそうです。
コンディションのために陳列されるとは限らない浮世絵達にお目もじ叶い嬉しかったです。
見慣れていた浮世絵も、ハッとするくらい発色が良くて、版木のエッジもシャープで心地よかったです。
丁寧に保管しておいてくださって、感謝したい気持ちでいっぱいでした。
広い館内ですが、イヤホンガイドの方も多くて少し混雑しているのは致し方ないのですね。
文責:京おはるぅ~