9月15日に、月1回開催されている上村淳之先生の談話会に参加してきました。
日本画家として著名な上村先生は現在京都市立芸術大学で教鞭をとられています。
今市芸大には中国からの留学生が模写を見て欲しいと来日されているそうです。
堀川御池にある市芸大のギャラリー@KCUAにも作品が多く展示されていますが、最近は作家が描こうとしている世界が伝わってこない…と厳しいご指摘がありました。
上村先生の祖母・上村松園先生は臨場感も規模も素晴らしかったとのこと。現代の学生は手描き友禅のバイトなどをすることがあるそうですが、それを長く続けるとリアリティが失われてしまうそう。
また、カルチャーセンターでの絵画指導は早く“絵”としてかたちにしようと自分の作画に格好をつけてしまう傾向があるとか。
最も早い上達の方法は写すことだ、と上村先生は仰います。
空間の世界が違うし、花の香りや鳥の声が聞こえてくるような余白の美が絵画においてはとても大切であり、それを生み出すためには写生がなにより重要であるということでした。
自然がおりなす世界を見つけ、絵にして内面へ訴える静かな気持ちを育み深めていってほしい。上村先生から先を担う未来の画家たちへの想いをうかがいました。
文責:のり憲