京都市美術館で開催の「三浦景生の染め 白寿の軌跡」を見てきました。
三浦先生は何度か中信美術館での展示で元気なお姿を拝見しておりましたが、2015年の7月に99歳で亡くなられました。今回、会場の一角には以前制作されたDVD映像が放映されており、先生の作品づくりの様子が紹介されています。
先生の作品制作において、アクリル絵の具とタオルは必需品。抑えてはまた貼り付けるという独自の技法は染色ではない、といわれながらも、他人がしない新しいことがやりたい、という先生の向上心こそが、彼の元気の源だったのかもしれません。
今回の展示では、特に第3室を埋め尽くす陶芸作品とスケッチブックが印象的でした。
石川県立九谷焼技術研究所へ図案指導に行かれてから、先生は陶芸も手がけており、晩年にアトリエの電気釜で焼かれたという美しい陶箱は、1つ自分もほしくなります。
そして、日本画家の森田りえ子さんが先生の思い出話とあわせて京都新聞に書かれていた先生のスケッチ。手元を見ず、花本体から目を離さないでじっくりと観察して描いておられたというスケッチは、子供さんが見ても楽しい作品になっています。
配色も現物ならではすばらしさです。
文責:のり憲