鈴木其一の風神雷神図を楽しみに、細見美術館へ行ってきました。
一昨年は京都国立博物館の「琳派展」で俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一3人の風神雷神図を見比べしましたが、年月を下るとだんだんこじんまりとし迫力に欠けていくようなイメージを持ちました。
鈴木其一の作品は酒井抱一の後にあたりますが、背景が薄墨で覆われ、グリーンの風神とどんよりとした黒雲の表現が荒れ狂う嵐を思わせ、その場で立ちすくみました。
年末には姫路市立美術館でも展示が行われ、アヒルの散歩を描いた「水辺家鴨図屏風」などのどかなムードで楽しみましたが、細見美術館では小さな絵巻物の展示が意表をついていました。
東京展で登場していた朝顔の作品のイメージが強い作家ですが、会場によってこんなにも雰囲気が違うのか、と感心させられました。
嬉しかったのは「業平東下り図」。遠山記念館所蔵の其一作品と、弟子の守一の作品を一緒に楽しむことができました。
残念に思われるのは、MOA美術館所蔵の「草花十二ヶ月画帳」。せめて何ページか開いて展示していただきたい作品でした。
開催は2月19日まで。其一の第4の風神雷神図、ぜひ観てみてください。
文責:のり憲