京都国立博物館で開催されている「海北友松」展に、やはり行くことにしました。
この度60年ぶりに日本に帰ってきた「月下渓流図屏風」が見たかったからです。
これはネルソン・アトキンズ美術館の初代館長ローレンス・シックマンが、第二次世界大戦中にアジアの美術品保護に携わっていたときに手に入れられたものだそうです。
当日は30分ほど待って入場。人々の頭の向こうに見えた作品は、静かで控えめながら細部に力強さが宿っており、春の雪解け水に彩色されたつくしからは芽吹きの暖かさが伝わってきました。
やはり来てよかった。
ほかにも、宮内庁三の丸尚蔵館の「網干図屏風」は、網の細い細い線の描写に気が遠くなるようです。また、珍しかったのは妙心寺への画料請取状があったことです。
展覧会は21日までの開催ですが、本能寺の宝物館にも友松先生の作品が展示されています。筆の運びがゆっくりと見られます。足を運んでみてはいかがでしょうか。
文責:のり憲