2017年11月4日~12月1日の日程で、京都シネマで映画「禅と骨」が上映されています。
これは天龍寺の禅僧であるヘンリ・ミトワさんのドキュメンタリー映画で、以前からメディアにも取り上げられています。
私はミトワさんは日本人以上の素晴らしい茶人であり、陶芸も文筆も何でもできる人、ということは存じていましたが、それ以上は知りませんでした。
しかし、中村高寛監督は童謡「赤い靴」の映画を作るという夢を追い続けたミトワさんを若い頃から振り返り、ウェンツ瑛士さん演じる若きミトワさんの姿を魅力的に捉えていました。強権的な父・ミトワさんに振り回されながらも、彼を愛さずにはいられない娘さんたちの姿は、2012年にミトワさんが亡くなって骨になってからの方が愛情がより伝わってきました。
家族がバラバラになってしまい孤独死する人が多い現代に、その生き様を見せてきたミトワさんだからこそ、子供たちは父の尊厳を感じていたのかもしれません。残された者の記憶の中で生き続ける家族の物語であってほしいと思いました。
文責:のり憲