細見美術館と言えば琳派の扱いが多く、何度か展示に足を運んでもいつも同じように写ってしまうことがあります。
今回も足元の解説がとても読みづらく感じてしまいました。
しかし、解説に目を取られずに抱一一門と其一の鳥を楽しもうと思いたくもなりました。
抱一一門の絵師は何皆「一」の文字が入っているため区別がつきにくくなってしまうのですが、どれが誰の作品なのか気にせずに見ていました。そのうちで目に留まったのは、酒井唯一の「鯉に燕子花図」でした。これは上に松、下に燕子花が抽象的に描かれ、また絵の上下を装飾する一文字も金泥が塗られ柏の葉までが手で描かれていました。
有名な作品としては、鈴木其一の家鴨(あひる)を描いた六曲屏風がありました。
また、伊勢物語を主題とした「東下り図」は、細見美術館は鈴木守一の作品を展示しているのですが、鈴木其一の同題作品埼玉県の遠山記念館にあるので、せめてパネルを添えていただきたいと思いました。
最高に楽しかったのは、「四季草花草虫図屏風」。右隻に18、左隻に21の虫たちがいるそうで、それを探しながら見ていました。しかし見つけきれませんでした。
会期はまだもう少しあるので、ぜひ虫を数えに展覧会を訪れてみてはいかがでしょうか。
文責:のり憲