祇園祭前日の海の日も猛暑でした。けれども、何必館.京都現代美術館に入ると、四条通りの喧騒も、汗の流れ落ちる暑さからも逃れられました。
すぐのところで出迎えてくれるのが、日本三景を描いた屏風じたての3枚の絵。
左にあるのは、上から見た雪の天橋立。真ん中は、金色の島がぽこぽこ海に浮かぶ松嶋図。右は厳島神社の鳥居から下の八割の部分を海がしめる厳島図。そういえば、厳島神社は海の神様を祀っていました。どれも面白い構図だと思いました。
麻田鷹司は、風景画を描き続けた日本画家です。
日本の山なみ、京都の名所が多いなか、中国美術家協会の招きで敦煌寺へ行った翌年の作、敦煌への道 は3分の2が道で、残りを空と山なみで分けた構図です。厳島図を連想しました。
この作品の空の色は印象的でした。日本の風景には使っていない、クリアなとても澄んだ水色でした。
日本の風景の空気感、敦煌の空気感それぞれの山なみの色使いにもあらわれていました。
贅沢な夏の一日でした。
文責:虹のSIKA