相国寺の参道は今出川から入る。承天閣美術館は一番奥である。
松並木をぬけ、青紅葉の並木の石畳をぬけると美術館 の入り口がある。静かな佇まいでホッとした。
今どき京都はどこへ行っても観光客で溢れ返っているので、穴場である。
ここは靴を脱いであがるのがお寺感を感じさせる。
9月30日まで開催される今回の浮世絵展は、全て保存状態がよく、江戸時代の浮世絵の醍醐味が味わえるとあり、2部屋あるギャラリーはそこそこの人がいたが、お気に入りの浮世絵をかぶりつきでゆっくり鑑賞できるので、満足度が高い。
江戸初期浮世絵誕生の菱川師宣。錦絵の鈴木春信の錦絵は断トツに色がとても美しかった。
浮世絵黄金期の喜多川歌麿、写楽、歌川豊国、国芳、国政そして葛飾北斎の富嶽三十六景を経て歌川広重の東海道五十三次、名所絵まで、素晴らしい作品ばかりだった。北斎は奇抜な感じ。広重の風景は日本の浮世絵でありながら、奥行きをかんじさせるもので、雪よし、雨よし、夜の月よし。
長く絵の前から離れられなかった。
このコレクション、全てアメリカのリー・ダークス氏の収集したものであることを最後に付け加えておく。
文責:虹のSIKA