京都国立近代美術館で、10月8日まで「生誕110年東山魁夷展」が開催されています。
京都での東山魁夷展は、京都市美術館で開催されてから30年ぶりとのことです。
見覚えのある方が多いだろう作品、昭和22年の出世作である「残照」からスタートを切り、絶筆となった「夕景」までが出品されています。なかでも代表作の白馬シリーズの「緑響く」は、行方不明になってしまった作者自らが再制作されたというもの。また、宮内庁所蔵の「萬緑新」は昭和天皇のご新婚の年に1か月過ごされた翁島を思い出します。
そして唐招提寺の障壁画。ブルーの波の世界はお寺でも楽しめますが、水墨画で描かれた梅の間・桜の間はなかなか見られる機会がありません。
「桂林月寶」は見ているとまるで絵の中に吸い込まれるようでした。
会場には東山先生の制作風景を記録したDVDも上映されていました。
一つ残念だったのは、京都を題材にした「年暮る」という作品の本画が見られなかったこと。
こちらは山種美術館さんの所蔵で、今回お借りできなかったようです。
文責:のり憲