11月25日まで、堂本印象美術館で日本画家・徳岡神泉展が開催されます。
京都二条・神泉苑の近くに生まれたことからその名をとったという神泉は、京都画壇の画家・土田麦僊の紹介で竹内栖鳳の主宰する竹杖会に入られました。全体として存在感を貫く思いを得に表し、自然の心理を追及された画家ですが、その作品は多くありません。
しかし、奈良のあやめ池の菖蒲、奈良街道途中の刈田、嵐山の細い川や大原三千院の奥に広がる薄が原など描かれている風景はどれも美しいものでした。特に薄が原近郊の風景、夕日が好きだったそうです。
文展には落選続きで、日展未発表の作品とは別の、同じ構図で描いた藤もありました。
下絵と小品、本画の両方を楽しめる赤松、鉄斎堂の水仙など、非常に高い評価のものもありました。
この機会に衣笠でじっくりと拝見していただきたい展覧会です。
文責:のり憲