京都国立近代美術館で、12月16日まで「藤田嗣治展」が開催されています。
藤田は作中で銀箔を使っているそうですが、確認できるのは日本初公開となる「エミリー・クレイン=シャドボーンの肖像」のみとのこと。注文主はシカゴ出身の富裕なアメリカ人女性で彼女自らがモデルをつとめた作品。1930年にニューヨークのラインハルト画廊で行われた個展で展示されたものだそうで、ぜひ観てほしい作品です。
展覧会は自画像からスタートし、今回は珍しくメキシコ旅行中に描かれたある意味藤田らしくないカラフルな作品もあります。これが同時に、アッツ島・サイパン島の戦争画2点と一緒に並べられています。
展示の終わりには、藤田が晩年を過ごした、フランスのメゾン=アトリエ・フジタに残る藤田手づくりの小物が並び、陶芸から小箱まで作ることができるその才能は言い尽くせません。
4階の第2会場にも作品があるので、鑑賞する余力を残しておいて欲しい、声を大にして伝えます。
文責:のり憲