堂本印象美術館で「堂本印象 ほとけを描く ほとけを愛でる」が9月23日まで開催されています。
戦争で焼けてしまった四天王寺宝塔の仏画下絵を初公開するにあたり、アトリエの仏間にあった仏像4体があわせて飾られています。
印象先生が和歌山県白浜の別荘にも持参したというほど愛着を見せた仏像で、優れた目利きでもあったことを伺わせます。
この四天王寺宝塔仏画の制作にあたっては、大分県國東にある富貴寺の仏画の模写を参考にしており、その作品がスロープに展示されています。板絵の木目までも表現されている点には驚かされます。
その上、四天王寺心柱の四方仏は三尊形式で、北方の弥勒仏の大妙相と法円輪菩薩は珍しく、三尊の違いを探すのも楽しい見方になります。
新館では、日本画家・河村源蔵先生の日展の作品がありました。構想のエスキースから本画に垢を塗り上へ上へと重ねて色を出すなどの手法が間近で感じられます。
文責:のり憲