細見美術館の「華めく洋食器展」に行ってきました。
1934年に満州国皇帝溥儀の即位式が行われた翌年、昭和天皇が国賓として日本に招待した一行が100人規模で4月19・20日の2日間を鉄道省が管理していた辰野金吾設計の奈良ホテルに滞在しました。その際に大倉陶園に食器を特注された青の美しい食器が迎えてくれました。絵師が奈良に来てスケッチした絵を「岡染め」で絵付しており、現在14種類295点が残るそうです。使っている金の純度も高いし、色が優しく、陶器の肌の白も少しミルク色で温かみが伝わってきました。
4月16日からは奈良ホテルに新しい展示コーナーが設置され、溥儀を迎えた大倉陶園の食器が常時見られます。デザイナー百木春夫さんによる一本のバラを描いたプレートは目を引きます。他にも可愛い天皇陛下のお箸やお食い初めの議の食器も楽しめました。
文責:のり憲