3FPROJECT ROOMにて開催されている京都造形芸術大学生・花田 康史さんの個展 [ DisParadigm ]を見に行ってきました。
ギャラリーに入るとまず目に入るのは巨大なジオラマ(丘の上にゴリラが乗っている。そのゴリラの周りにはコインが撒かれている)。
また別のスペースには芝生栽培ポット、京都市内のある地域の居住地の写真パネルが展示されており、いずれも条件による差異、地域による差異を表現されていました。
[ DisParadigm ]は、いま私たちが暮らす社会の中において、意図的に見えづらくされているように思う差異や不均等を可視化することを目的に作品を制作されたそうです。
差異や不均等…私たちはそのことに気づこうとしないし、たとえ気づいてもそれについては黙認してしまうもの。
パラダイム=ある時代に支配的な物の考え方・認識の枠組み。規範。
[ DisParadigm ]はそんなパラダイムの中で暮らす私たちに気づきを与えてくれています。
ジオラマは展示中も制作が続けられていて、私がギャラリーに入った時、ちょうど花田さんが在廊されており、ジオラマの地下部分に小さな人型模型をたくさん設置しているところでした。
この巨大ジオラマにおいて言えば、ゴリラは社会の中に存在するひと握りの富裕層だと言います。
多くの一般市民はゴリラ層の下部の層で生活していて、自分たちの上にもうひとつ層があることには気づいていないし、ゴリラ層の方も下の層のことは意識していない。
このジオラマの意味は花田さんから直接お話を聞いて「なるほど」と感じたことです。
ギャラリー鑑賞の際、作者が在廊している機会はなかなかありませんが、タイミングよくいらっしゃれば自分から話しかけて作品のもつ意味合いなどを聞くのも、作品に対しての理解が深まり、何より作者に親近感がわき、作品自体がより記憶に残るなと感じました。
また、今回ギャラリーで見つけたチラシにも興味深いものがありました。
『ARTOTHEQUE』というアート作品リースプロジェクトのチラシです。
アート作品を買うことに踏み切れない人や企業に、リースというかたちで作品と暮らす日々を提供し、いずれは購入していただこうというプロジェクトです。
今のところの参加条件は「京都造形芸術大学の3回生以上の学生、院生、卒業生、職員」(いずれは他大学も)。
参加申し込み期間は終了してしまっていますが、2月からプロジェクトのウェブサイト(http://www.3-gai.com/?p=520)が随時更新されていくようです。
たしかに、作品を購入しようと思った場合、部屋の中に作品を置くことで得られる充足感は欲しいもののある程度の金額はかかるし、なんとなく二の足を踏んでしまいます。
お金とこころの充足感、どっちが本当に欲しいもの?
わかっちゃいるけど…そんなモヤモヤ解決のひとつのきっかけになるような気がします。
ウェブサイトが公開されたらチェックしてみたいと思います。
お出かけをするのが好きです。文章を書くことが好きです。 お稽古事で観世流仕舞を習っています。 京都在住15年目、2013年9月から市内でシェアハウス生活を始めました。 (旧PN あんこ) 「私の目で見る京都」をお伝えしていけたら、と思います。